【スロヴァキア】絵本の伝統
2011年6月20日
スロヴァキアとチェコには、数多くのすぐれた絵本作品があります。社会主義の時代、表現の自由に制限が加えられていましたが、子ども向けの絵本では作家が自由な創造性を発揮できたためといわれています。
ブラチスラヴァでは、1967年から絵本の祭典「ブラチスラヴァ・イラストレーション・ビエンナーレ(略称BIB)」が開催されています。絵本の国際展ではもっとももっとも古いもののひとつです。今年はビエンナーレの開催年にあたり、期間は9月2日から10月26日までです。
絵本が、社会主義の時代の表現のはけ口であったこともあってか、今日はかつてのように表現の手段として絵本が力を持っているわけではありません。社会主義のときに制作された精緻なアニメーションも、時間と人手だけは十分あった時代だからこそつくることができたといわれています。
先日、ふとスーパーでかわいらしいイラストをパッケージに使ったクッキーがあったので、思わず手にしました。「マリア」は普通のクッキーで、「インディアン」はココア味です。ともにパッケージ同様、素朴な味わいです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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