【スロヴァキア】トレンチーンのパン屋さん
2011年11月28日
トレンチーンはブラチスラヴァから電車で約1時間30分ほどのところにある、ヴァーフ川沿いに広がる街です。ほどよい感じに街が修復され、生活感にも溢れ、一日いても飽きない、なかなか味わい深い魅力があります。
トレンチーンの歴史は古く、古代ローマ帝国の勢力域だったことが知られています。179年にゲルマン系のクアディ族を破ったという碑がトレンチーン城の麓で発見されています。碑は現在、タトラ・ホテルで見ることができます(ただしホテルが改修中のため、いまは不可。トレンチーン城内にレプリカがあります)。
旧市街は駅から少し離れたところにあります。細長い広場を中心に広がります。一軒のパン屋さんに寄ったら、とても大きなパンを売っていました。この地方、独自のパンとのことで、一週間は硬くならないのが自慢とのことです。買ってみましたが、素朴な味わいで、たしかに一週間あまり家族の食卓にのぼりました。
このパン屋さんのご子息は東北地方太平洋沖地震のレスキュー隊に参加して日本に行き、ひとりの命を救ったとのことです。そんなとき世界は狭いなあと改めて思うのです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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