【スロヴァキア】トレンチーン城見学
2011年12月 5日
トレンチーンを見下ろす断崖の上に、大きな城があります。城は18世紀に焼失し、荒廃しました。いま見られるのは20世紀半ばに修復されたものですが、当時の姿をうまく再現したものだといわれています。
城はガイドツアーによって内部を見学することができます。展示は中世を彷彿とさせる武器や武具、櫛といった身近な生活用品です。展示にほどよさがあり、見ていて飽きません。また、古いものは古いまま残そうとしているので、過ぎ去った歴史をリアルに感じさせます。塔からはトレンチーンの街を一望にすることができます。
城の歴史は11世紀にまでさかのぼります。13世紀に領主となったマトゥーシュ・チャークはハンガリーの貴族ですが、現在のスロヴァキアにあたる領土を支配していました。このため18世紀から19世紀にかけてスロヴァキアの独立の兆しがはじめると、チャークは独立のシンボルともなりました。
スロヴァキアの歴史は、長らくハンガリーの一部だったこともあり、スロヴァキアだけの歴史を取り出して考えることはむずかしい面もあります。しかし、こうして史跡を巡っていくと、このエリアがどういう性格だったのか、少しずつ見えてくる気もします。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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