【スロヴァキア】茶から白に変わったブラチスラヴァ城
2012年7月30日
ブラチスラヴァ城は旧市街を見下ろす高台の上に立っています。テーブルをひっくり返したようでもあり、子どもが描いたお城の絵そのものでもあります。
ぼくがはじめてこの城を見たとき、外壁は茶色でした。たしか2007年に見たときも茶色でした。それがこの数年で大幅に改装され、外壁は真っ白になり、これまでなかったさまざまな装飾や彫刻が施され、これまでのイメージを一新させました。
このブラチスラヴァ城は18世紀後半、当時スロヴァキアの地を治めていたオーストリアの女帝マリア・テレジアの居城として使われ、バロックふうに整備されました。しかし、1811年、火事で焼失してしまいます。古い写真には焼け崩れたまま放置された城が写っています。
城が復元されたのは共産主義の時代でした。どことなく影のあるその姿に惹かれたものでした。復元と一言にいっても、なかなかむずかしいものがあるかもしれないと、ブラチスラヴァ城を見ながら、ふと思うのです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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