【スロヴァキア】世界遺産の街バルデヨフ 1 城壁の街
2012年12月10日
バルデヨフはスロヴァキアの東部、ポーランドとの国境近くにある街です。のんびりと走る二両編成のローカル線の終点です。
バルデヨフは中世の街並みをいまに伝えるとして、2000年、ユネスコの世界遺産に登録されました。長方形の大きな広場を中心に、瀟洒な建物が並ぶ光景は美しく、圧巻です。
中世の時代、外敵の侵入を防いだり、税の管理をするため、多くの街は城壁で取り囲まれていました。城壁には門があり、夜間はその門が閉じられ、人の出入りを制限したのです。
バルデヨフにはその城壁の一部がいまも残っています。その城壁は塩の貯蔵庫につづいていました。冷蔵庫がまだない時代、塩は食べ物を保存するために不可欠で、「白い金」と呼ばれるほど、貴重なものでした。
ポーランドに大きな岩塩鉱があり、その塩がヨーロッパ各地に流通するなかで、バルデヨフも重要な位置を占めていたことがわかります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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