【スロヴァキア】世界遺産の街バルデヨフ 7 歴史ある温泉
2013年1月21日
バルデヨフの街から5キロほど離れた小高い山の麓に、よく整備された緑豊かな公園があります。ここは13世紀にまでさかのぼる古い温泉地です。
バルデヨフ温泉も、周辺諸国にある温泉地同様、飲泉が中心です。飲んでみると、少しさびの後味が残りました。現在のバルデヨフ温泉は、医師の処方に基づく温泉療養をおこなうための施設となっています。
このバルデヨフ温泉には19世紀のはじめ、各国の王や皇帝も訪れる一大社交場でした。シシィの愛称で知られるオーストリア皇后もお気に入りで、彼女のために建てられた建物も残っています(建物の前にはシシィの像があります)。
地元の郷土史家は、「バルデヨフはモナコのような場所になっていた可能性があります。しかし、二度にわたる世界大戦により、華やかな時代は夢と終わりました」という。
静かで、飾らず、居心地のよい空間が広がる公園を歩いていると、シシィらがこの温泉を愛したのがなぜか、わかる気がしてきます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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