【スロヴァキア】世界遺産の街レヴォチャ 5 名工の工房
2013年2月25日
中世、広場の一角に、パヴォルという親方の工房がありました。親方がいつどこで生まれたかはわかっていませんが、ポーランドのクラクフで修行をしたと伝わっています。当時レヴォチャは、ポーランドとの通商路にある街でした。
パヴォルは1500年ころ、レヴォチャの有力者の娘と結婚し、この街に住むようになりました。街の中心に工房を構えられたのはそのためもあったのでしょう。パヴォルは広場にある聖ヤコブ教会の祭壇などをつくりました。木彫りの像には金箔が貼られ、豪華な印象です。
工房は現在、「パヴォル親方の博物館」として一般公開され、親方のつくった数々の作品の複製が展示され、間近で見ることができます。聖ヤコブ教会でもオリジナルを見ることができます。
パヴォルは街の代表として市庁舎での話し合いに出るなど、地元の名士としても活躍したようです。そんな二面性も興味深いものがあります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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