【スロヴァキア】自転車親睦ツアー参加記
2013年7月 8日
さる5月25日のこと、「友情の道」という自転車ツアーが催されました。今年で24回を数えます。
この自転車ツアーの目的は、速度を競うわけでも、距離を競うわけでもありません。ブラチスラヴァを出発して、オーストリア、ハンガリーの国境を自転車で越えるというものです。
社会主義の時代、国境は厳重な警備がなされ、おいそれとは越えることのできないものでした。ベルリンのような「壁」こそないものの、見えない「壁」が人びとの行き来を妨げました。民主化後も国境の意味はさほど変わることなく、EUの時代になるまで、監視がつづきました。
その国境を自転車で越えるのは、なかなか痛快なものがあります。かつて人びとの前に立ちはだかっていた国境のゲートはもぬけの殻となりました。
往復120キロあまりを自転車で走り、ブラチスラヴァがオーストリアとハンガリーと国境を接し、国境を越えるたびに言葉が変わり、街の景観も微妙に変わるのはなんとも興味深いものです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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