【スロヴェニア】チトー回顧展
2014年3月10日
スロヴェニアの首都リュブリャナで、ユーゴスラビア時代の指導者だったチトーの回顧展「チトー ユーゴスラビアのイコン」が開かれました(2013年11月7日?2014年2月28日)。
冷戦の時代、ユーゴスラビアは他の共産国は一線を画す社会主義を模索しながら、民族も宗教も異なる人びとで国として統一を保ちました。その中心にいたのが、カリスマ的な存在だったチトー大統領です。
展示は写真や資料を展示し、チトーの生涯を追います。とくに精力的に外交政策に取り組んだ姿が印象的で、米ソのどちらにも与しない独自の社会主義を貫くには当時、大切だったのでしょう。
また統一を保つため、国内をくまなく回っているようで、指導者としての苦労が伝わります。実際、チトーの死後、急速に輪が乱れ、ソ連崩壊の波を受けて内乱がはじまってしまいます。
展覧会に訪れていたのはチトーを知る世代が中心。古き良き時代を回想するように、展示を見入っていました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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