【スロヴァキア】カフカというカラスの話
2014年5月 5日
スロヴァキアやチェコでよく見かける小型のカラスがいます。日本でカラスといえば大きなハシブトガラスですが、凶暴でもなく、スズメなどと一緒に芝生などで餌を突いている姿を見かけます。
このカラスのことをチェコ語でカフカ(Kavka)といいます。そう、プラハを舞台に創作に没頭した作家フランツ・カフカ(Kafka)と同じです。
綴りは一文字ちがうものの、言葉に強い関心を抱いた作家がこの類似を意識しないはずがありません。実際、カフカの父親は自分の営む店の商標にカラスを用いていました。
カフカのどこか陰鬱な作品と、不吉なイメージのあるカラスと合わせ、そこに隠喩めいたものを感じがちです。
しかし、このカフカというカラスはどちらかというとかわいらしい鳥で、愛嬌があります。カフカの作品も意外にユーモラスですから、ぜひじっくり読んでみてください。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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