【日本】京都で考える国内旅行 3
2015年7月20日
日本の公共交通機関の運賃は、全般的に高いと感じています。その点、京都にはリーズナブルな一日乗車券があり、観光需要に応えています。
たとえば市バスと京都バスが乗り放題の乗車券は500円。一部、別料金になる観光スポットもありますが、これでたいていのところを回れます。運賃がいくらか考えなくてもすむのは、勝手のわからない観光客には楽です。
この一日券、観光客ばかりか、市民にも使い勝手がよいそうです。つまり、観光とはなにも特別なものではなく、だれもがよいと感じるものにしていくことが大切ではないかと思うのです。
ただ、滞在日数が短い観光客がバスを乗りこなすのは、そう簡単ではありません。「目的地に行くにはどのバスに乗ればよいのか」「バスはどこから乗ればよいのか」など、どこかに行こうとするたび、不安を感じます。
土地勘のある地元の人なら難なく乗りこなせても、観光客はなかなかそうはいかないのです。慣れないと、路線図を見ても方角がよくわかりません。行くだろうと思って飛び乗ったはよいものの、間違えたり、遠回りになったこともあります。
ですから、バスをうまく乗りこなしていると感じたとき、その街をわかったつもりになっているのもたしかです。それは京都に限ったことではありません。
(写真=京都の路地は楽しい)
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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