【日本】京都で考える国内旅行 4
2015年7月27日
京都を旅するには、その場でなにかを感じるのがいちばんです。そのためにはぶらぶら散策するだけでいいのですが、歴史や美術、建築についての知識があると、よりいっそう楽しめるものです。
このあたり、外国人観光客を見ていると、なにもわからないまま観光しているのだなと感じる場面によく出くわします。
ガイドブックを読めばよいのかもしれません。場所によっては、英文の案内板もあります。でも、わからないと感じるポイントが、少しちがうことがあるようです。
松尾芭蕉の過ごした庵の前で、建物について聞かれたことがあります。芭蕉のことをなにも知らないその人が関心をもったのは俳人のことではなく、「茅葺き屋根で雨漏りはしないのか」ということでした。
そのときはほんの少し説明するだけで、「なるほど」という顔をしていました。そんな短いやりとりのなかにも、観光客側と、それを迎える側との意識のズレがよく出ているのではないかと思います。
(写真=詩仙堂)
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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