【オーストリア】ウィーン自然史博物館の壁画
2016年3月28日
日本が外国をどのように見ているのか、その歴史的な変遷を考えるのは、なかなか興味深いものがあります。その反対に、日本が外国からどのように見られているかもまた、おもしろいテーマです。
ウィーン自然史博物館の膨大な収蔵物を見ていて、いちばん興味深く思えたのは展示よりも、建物にある壁画でした。各国の風景が一枚の絵になっているのですが、日本もありました。
選ばれたのは、鎌倉の大仏でした。左側にインドのタージマハル、右側にサマルカンドのモスクをしたがえ、中央に大仏が座っています。顔がやや細面だったり、山が迫りすぎていたり、実際とはちがう印象もありますが、そこがまたおもしろいところです。
博物館のオープンは、いまから130年ほど前の1889年。おそらく絵はがきかなにかを参考に描いたのでしょうけど、なかなかいい味を出しています。ネットで検索すれば、あらゆる画像が見つかる時代に比べ劣っているかといえば、そうともいえないと思います。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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