【スロヴァキア】社会主義の匂い
2016年4月11日
社会主義が1989年に崩壊して四半世紀が経ちました。社会主義がチェコスロヴァキアというひとつの国を支配したのは40年あまりだったのですが、その痕跡はいまも少なからず残っています。
おもしろいのは、プラハではこうした痕跡がすっかり影を潜め、まるでなかったことになっているのに対し、ブラチスラヴァでは否定をすることなく、歴史がつづいているとの印象があるのです。社会主義だった過去を隠していないのです。
たとえば写真にあるようなボーリング場の看板。社会主義の時代は「社会主義リアリズム」という手法に重きが置かれましたが、いまはすっかりすたれました。でも、この牧歌的な絵に「社会主義リアリズム」を、ふと感じたりします。
日々の暮らしのなかで、チェコとスロヴァキアとでは、かつてひとつの国だったとは思えないほど、国民性のちがいを見つけます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
投稿についての注意事項
- このブログへのご質問については、内容によってお答えできない場合や、回答に時間がかかる場合があることをご了承ください。