【スロヴァキア】美大の修復科
2017年6月26日
ブラチスラヴァの美術アカデミーで、学期末の展覧会がありました。学科ごと、学年ごとに作品を展示します。
目を見張ったのは、彫刻やデッサンなど基本的な学科の学生による作品で、アカデミーならではのものを感じました。デッサンも単に模写するだけではなく、抽象的に解体してみせるものもあり、デッサン力が問われているのがわかります。
スマホでだれもが日常的に写真を撮る状況で、写真科の展示を楽しみにしていましたが、全体的に迷いがあるようでした。そんななか、いちばん興味深いのが修復科です。いちばん不自由なようで、いちばん自由に思えたのです。
棚には顔料となるさまざまなマテリアルが並べられ、その絵がいったいどのような画材で描かれているのか考えるところから修復がはじまります。ああでもない、こうでもないと推理して試行錯誤をしながら、よみがえらせるのはなかなかおもしろそうです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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