【スロヴァキア】大統領宮殿の裏庭
2017年7月31日
大統領宮殿というと、なんだか近寄りがたい印象があります。実際、表門は制服を着た衛兵が立ち、中に入ることはできません。
しかし、裏庭は公園になっていて、自由に立ち入ることができます。とくになにがあるわけではないのですが、のどかで、表門のピリピリした印象とは正反対です。市民が思い思いに散歩したりして過ごしています。
ロココ様式とバロック様式を合わせた宮殿はもともと18世紀半ばに建てられ、音楽の拠点として賑わいました。音楽家のハイドンもここで指揮をしたことが知られています。
1918年にチェコスロヴァキアが独立すると軍の司令部となり、また共産体制下は「ピオネールと若者のための家」でした。学童の遊び場だったわけですが、ブルジョワ趣味を悪と見なす社会主義の時代らしい転用です。
民主化後に修復され、チェコとスロヴァキアが分離独立したのを機に、大統領宮殿となりました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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