【スロヴァキア】団地の公園
2018年7月16日
昭和30年代から40年代にかけて、日本全国で公団住宅が建てられました。「団地」と呼ばれ、モダンで新しい生活の象徴でした。公園や運動場などを備える団地もあり、まだ子どもだった時分、ずいぶんうらやましく思ったものです。
チェコとスロヴァキアでも戦後の社会主義体制下、パネラークと呼ばれる団地が各地でつくられ、現在もなお健在です。とくにブラチスラヴァのペトルジャルカ地区には10万人あまりが暮らす大団地群が広がります。
社会主義が終わって30年近くが経ち、痕跡はずいぶん薄まっているのですが、それでもパネラークにはそのエッセンスが詰まっているように感じます。
社会主義というと暗くて重たい印象があるものの、当時の様子を聞くと意外に幸せな暮らしぶりを回想する人が少なくありません。いまは遊ぶ子どもも少ない公園に人だかりができている古い写真を見るとなるほどと思います。日本人がいま昭和に抱くイメージと重なるものがあるようです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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