【スロヴァキア】市場の建物
2018年8月 6日
トルナフスケー・ミートはブラチスラヴァ駅に向かう途中にある大きな交差点で、体育館のように大きな市場の建物が角にあります。
もともと露天市場の集まる広場だったところにパリの美術館ポンピドゥー・センターを思わせないわけでもない建物がつくられたのは1981年のことでした。排気口を大胆に剥き出しにする試みなど、共通点があります。
ポンピドゥー・センターが1977年に世界的な建築家レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計したのに対し、この「新市場」はスロヴァキアの建築家イヴァン・マチュシークがつくりました。
老朽化したいまでこそ、なんだかよくわからない建物に思えますが、そこに未完の物語としての社会主義を見て取ることができます。40年前に完成した当時の写真を見ると、斬新な夢の空間に見えるのです。
現在も使われていて、ワインの立ち飲みスタンドなどもあり、ローカルな楽しみを満喫できます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
投稿についての注意事項
- このブログへのご質問については、内容によってお答えできない場合や、回答に時間がかかる場合があることをご了承ください。