【チェコ】ホテル・アヴィオンの建築
2018年10月 8日
ブルノの自由広場の近くにホテル・アヴィオンという人目を惹くホテルがあります。それはヨーロッパでもっとも狭いホテルのひとつといわれる外観に特徴があるからです。
ホテル・アヴィオンは幅わずか8メートルのペンシルビルで、白亜のファサードが実にモダンです。1926年、ボフスラフ・フクスというチェコの建築家が設計しました。赤丸のロゴが印象的ですが、エマニュエル・フルベクによるものです。
もともと中世からつづく古い食堂があったのをホテルに建て替えたとの経緯があります。敷地が8×34メートルと細長いのはそのためです。今も昔も空間を活かす設計は、建築家の知恵にかかっています。
一度、泊まったことがあります。ずいぶん細長い部屋で、裏手にある聖ヤコブ教会の尖塔が見え、鐘の音がよく聞こえました。ずいぶんくたびれたビジネスホテルといった印象で、お世辞にも快適な部屋ではなかった記憶がありますが、現在、オリジナルの状態に戻す全面改装工事がおこなわれています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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