ブルノにある近代建築の最高傑作
2008年3月31日
ミース・ファン・デル・ローエは、ル・コルビュジエとフランク・ロイド・ライトとならび、近代建築の三大巨匠と称される建築家と知られています。そのローエの建築が、チェコ第二の都市ブルノにあります。
織物で財をなした実業家フリッツ・トゥーゲントハットがローエに設計を依頼したこの建築は、1928年から30年にかけて建てられました。しかし、ユダヤ人であるトゥーゲントハットはナチスドイツの迫害から逃れるため、この邸宅に住んだのはわずかな期間です。
モダニズム建築の最高傑作であるこの邸宅のなかでも、とくに大きなガラスから陽の光が差し込むメインルームは圧巻です。書斎やリビング、食堂などのあいだには明確な仕切りがなく、広々とした空間をつくりだしています。一枚の壁面で、明るいリビングと、落ち着いた書斎を分ける手法は卓越しています。
また、ドアやドアノブ、スイッチ、家具などといったディテールにいたるまで、ローエの建築家としての神経が行き届いています。
内部の見学は事前予約が必要で、また改修工事のため、2008年6月から長期間、閉鎖される予定なので、ご注意ください。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
名前のみ、知ってますです。
直線がシャープ?
結構、好きかも?
いわなやまめ | 2008年4月 3日 17:00
コメントありがとうございます。
この空間、本当に心地がよいです。
増田幸弘 | 2008年4月 4日 07:37
何も知らずにただ世界遺産と聞いただけで今日ふらっと行って来ました。事前予約が必要なことも知らなかったのですが幸運にも入り口に3人のチェコ人が入ろうとしていた時で係りの若い女性に頼んだら一緒に入れてくれました。素敵な空間でした。室内からの庭の眺めも素晴らしくてまさに時が止まったよう・・6月から改修工事で閉鎖されることも知らずラッキーでした。
tammy | 2008年5月14日 21:32
なかに入れてもらえてよかったですね。予約がないので、出直している方を見かけています。
増田幸弘 | 2008年5月15日 04:18