旧市街広場のヤン・フス像
2008年10月13日
旧市街広場の中央には、大きなブロンズ像があります。この群像のモティーフはヤン・フス。15世紀の宗教改革者の先駆者として知られ、チェコの人びとにとっては守護神的な存在です。
プラハにある中欧最古の大学であるカレル大学でフスは総長を務め(大学にもフスの像があります)、またベトレヘム教会でチェコ語による説教もおこないました。フスはハーチェクと呼ばれるチェコ語独自の表記を考案した人としても知られています。
フスは聖職者の世俗化や免罪符の販売を批判し、マルティン・ルターによる宗教改革の先鞭となりました。しかし、異端の罪でコンスタンツ公会議に召喚されたものの自説の撤回を拒絶。1415年に焚刑に処せられてしまいました。
なお、旧市街広場の像は1915年、殉教500年記念に際し、ラディスラフ・シャロウンによってつくられました。
(写真の立っている人物がヤン・フス。中央の尖塔のある建物がティーン教会、左手はキンスキー宮殿)
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。