鮨九
2011年6月29日
子供の頃、「ハリスの旋風」(ちばてつや作)というマンガを、週刊少年マガジンで愛読していた。主人公は勉強の成績はさっぱりで背も低いが、ケンカが強くスポーツ万能。ハリス学園という中学校で大活躍する。僕がこのマンガを読んでいた頃はまだ小学2年生で、当時流行っていたさまざまなマンガを読みながら、いろいろな疑問を持っていた。
例えば「鉄人28号」の主人公・金田正太郎くんは、いつも半ズボン姿で冬は寒くないのだろうか?とか、「巨人の星」に出てくる花形満は、中学生なのにスポーツカーを乗って逮捕されないのだろうか?など、本当に子供ながらの純粋な?マークが僕の頭の中に次々と浮かんでくるのだ。
同様にこの人気マンガ「ハリスの旋風」を読んでいても?マークが現れた。主人公の父親は屋台のラーメン屋を生業としてる人。僕の育った北海道・函館では、このマンガに出てくるような人力移動式屋台を見るようなことはなかったのだ。それはおそらく、北海道の厳しい冬や雪の多さのなかで、そういう屋台で商売をすることが難しかったのだと思う。
このお父さんが引いていたようなラーメン屋台は、今も北海道では見ることはないが、固定式屋台風集合型店舗というのは、北海道内地方都市に登場している。代表的なものは帯広や函館、小樽など、それぞれ居酒屋だったり寿司屋だったり、ラーメン、ジンギスカンなど地元客から観光客まで、いろいろな人が集まり賑わっている。
そして今回ご紹介する「鮨九」さんは、屋台とはひと味もふた味も違いながら、屋台で食べる醍醐味も感じさせてくれるお店なのだ。ススキノにあるカウンター9席の小さなお店ながら、ハートフルさと落ち着きと、「そのへんの店には負けんで!」という気合いの入った寿司や、季節感たっぷりの逸品を味わわせてくれるのだ。
「唐辛子がこんなに旨いものだったとは」と思いつつ、ウニとアナゴの先付、アワビ、トウキビの揚げ物などなど、旬の逸品のオンパレードを平らげた。以前取材した時は同じグループ店のススキノにある「対州」の店長だった和知さんが、なんとも心地よいタイミングで寿司を握ってくれる。敷居も高くなく、すんなり入れる気軽さもいい、ちょっと趣向を変えて楽しむのにはうってつけの一軒なのだ。
鮨九 札幌市中央区南6条西3丁目 御代川6・3ビル1F 電話 011-513-8005
- 浅井 精一
いつのまにかすっかりオヤジになってしまったことに気がついた昭和34年生まれの男。函館出身で母校の函館西高の大先輩が北島三郎、一年後輩が辻人成(といっても面識は無い)。札幌の大学を卒業後、タウン誌編集や10年以上ホテルマンを経験するなどして、現在は編集プロダクション(株)カルチャーランド(札幌・社員24人)代表。手塚治虫マニアであること、昭和40年代のプロレスファンであることで、ごく一部に有名。
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