春の、柳川を行く
2010年2月22日
今回の「ぶらっ人 from 福岡」は、福岡県南部の観光スポット「柳川」をご紹介します。
柳川は、立花氏・柳川藩の城下町として知られ、市内を縦横に掘り割が流れることから「水の都」とも呼ばれています。
当初、掘り割は柳川城の防衛上から造られ、その後、上水道、農業用水、洪水予防など生活に密着して発達。総延長距離は、900km以上あります。
福岡市の繁華街・天神から、柳川まで西鉄特急電車(上)で45分。
昨年、九州自動車道・みやま柳川IC(下)の供用開始で、車でのアプローチが便利になりました。
日本の近代文学に偉大な足跡を残した詩人・北原白秋は柳川の出身。造り酒屋であった生家は、「北原白秋記念館」になっています。写真=柳川市役所・柳川写真館
旧柳川藩立花伯爵邸「柳川御花」には、資料館や西洋館(上)、クロマツに囲まれた池庭が見渡せる名園・松濤園(下)があります。写真=柳川市役所・柳川資料館
現在、「柳川雛祭りさげもんめぐり」が4月3日まで開催中。柳川では、女の子が生まれ初節句のときに、お雛様と一緒に飾る、色鮮やかな鞠や人形を、「さげもん」と呼んでいます。
御花・大広間のほか、造り酒屋の目野酒造で旧家の雛飾りが見られます。写真=柳川市役所・柳川写真館
柳川といえば、「どんこ舟」で掘割をゆったり巡る「川下り」がおなじみ。乗船場は4か所あり、料金は大人1,500円です。寒い時期には、舟にこたつが置いていますが、電気は入っていません(笑)。
掘割周辺には倉が多く、米倉として使われた「殿の倉」の壁面は、通称・なまこ壁と言われています。
「どんこ舟」は、民家の横も普通に通り過ぎていきます。足代わりの、カヌーやボートも(上)。
掘割で暮らす、野鳥や小動物も見ることができます。天気がいいので、亀も日向ぼっこしていました(下)。
ところどころで別コースの「どんこ舟」とすれ違い、お互いに手を振り合います。
緑のトンネルの中をゆったり進む「どんこ舟」(上・下)。個性的な船頭さんによる、面白い話も魅力のひとつ。柳川出身のオノヨーコさんが、ジョン・レノンさんとともに「川下り」を楽しんだことがあるそうです。
「川下り」の後に、ぜひ味わって頂きたいのが、柳川名物「うなぎせいろ蒸し」。
蒸し上がるまでの、待ち遠しい時間は鰻骨揚げ(上)を。秘伝のタレをまぶして蒸したご飯の上に、鰻の蒲焼をのせ、錦糸卵が添えられます(下)。市内に数十件の専門店があり、それぞれの味が楽しめます。
堀割の水を一旦落とし、川底に日光を当てて清掃を行う「水落」も終わり、昨日(2/21)、「お堀開き」が行われ、「川下り」も再開。柳川に、春が訪れました。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。