九州新幹線、全線開通まで、あと半年に
2010年9月12日
今回の「ぶらっ人 from 福岡」は、全線開通まで半年に迫った九州新幹線をご紹介します。九州新幹線は2004年に新八代?鹿児島中央の約127kmが先行開業。現在、博多―鹿児島中央は、在来線から新八代で新幹線に乗り換え、最速2時間12分で結んでおり、来年3月12日に全線開通時には、最速1時間20分に。
中部地区から九州まで、時間的に航空機が有利ですが、九州内の移動は飛躍的に向上するでしょう。
博多?新八代には、5つの新幹線駅が誕生します(前回、久留米駅と新大牟田駅を紹介)。まず、博多駅は山陽新幹線を繋ぐ駅に、駅ビルは「HAKATA CITY」として生まれ変わります。「HAKATA CITY」には、阪急百貨店、東急ハンズなどが入居し、ビル中央には大時計がお目見えします。
新鳥栖駅は、佐賀県初の新幹線駅。長崎本線上に駅ができるので、長崎、佐世保方面の乗り換えが便利に。
筑後船小屋駅は、福岡県営筑後広域公園の中にできる新駅。近くには、高濃度炭酸泉で知られる船小屋温泉郷があります。
玉名市街地に開業する新玉名駅は、「森の中の駅」がデザインコンセプト。約1300年前に開湯したといわれる玉名温泉は、すぐそばです。
熊本駅は、現駅に併設しています(上)。在来線ホームも含め、大掛かりな工事が進み、西側の高架に新幹線ホームができます(下)。
来年3月に全線開通すると、新しい"顔ぶれ"が走り始めます。8月21日(土)に行われた九州新幹線・熊本総合車両基地見学会で見た、九州新幹線の車両です。
超ロングノーズのN700系8000番台(上)。
新大阪?鹿児島中央を結ぶ「さくら」で使用されます(下)。同区間には、4時間を切る「みずほ」?も設定されるそうです。
自由席は、2列+3列シートが並びます。N700系がベースですので、窓側と車端シートにはPC用のコンセントが付きます。
普通車指定席は2列+2列シートで余裕たっぷり(上)。シートの座り心地が良く、300系グリーン車より快適です(下)。
グリーン車は、6号車の半室。派手さを抑え、航空機のアッパークラス並みに落ち着いた空間です。
九州新幹線といえば800系「つばめ」。2004年の部分開業時にデビューしました。(写真は川内車両センター)
フロントフェイスが一段とシャープになった新800系「つばめ」は、2009年から走行を開始しました。
新800系「つばめ」は、モノクラス6両編成の、号車それぞれシート生地や柄が異なります。アイビー柄西陣織(上)、オレンジのツイード(中)、ワンレッドの本革(下)などがあり、車両を見て回るのが楽しくなります。
すでに、試運転が行われ、全線開通に向けカウントダウンが始まっています。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。