廃止間近!485系特急電車で佐伯へ
2011年2月10日
2月1回目の「ぶらっ人 from 福岡」は、大分県別府・佐伯への旅をご紹介します。別府温泉や佐伯寿司を堪能することも楽しみなのですが、3月12日の九州新幹線全線開通時に廃止となる、特急電車485系に"最後"の乗車することも目的のひとつ。取材日:2011年2月7日(月)
福岡を午前6時過ぎに出発。大分自動車道を快走し、別府湾SAで休憩。湯布院の名宿「山荘無量塔」がプロデュースした、シックで高級感あふれる建物が目印です。
普段なら、別府湾や大分市街が一望できるのですが、この日は中国から汚染物質が飛来したようで、まったく見えず残念。
485系電車は、1964(昭和39)年に北陸本線でデビュー。その後、1979(昭和54)年まで増備を重ね、北海道から鹿児島まで活躍の場を広げました。九州でも、(昭和40)年に特急「つばめ」(名古屋⇔熊本)、「はと」(新大阪⇔博多)がお目見えし、「有明」、「にちりん」、「かもめ」など九州内特急として活躍。現在、日豊本線(別府⇔鹿児島中央)で最後の走りを披露しています。ブルートレインに続き、昭和を代表する列車が、また九州から消えることになります。
特急「きりしま」鹿児島駅 2006年8月22日
走行シーンを撮影するために、大分市南の乙津川鉄橋へ。トリコロールカラーの「にちりん2号」(上)。
国鉄カラーに美しく再塗装された「にちりん5号」(下)。昭和が、蘇りますね。
別府駅から佐伯駅まで、485系に乗車します。列車には駅弁が定番ですが、今回はアンパン&牛乳。別府の老舗「友永パン」は、1916(大正5)年に創業し、建物も昭和初期のものです(上)。
店内は、地元の人でいっぱい、整理券を取って順番を待ちます。名物のアンパンは、小ぶりでシンプルな味。お土産に買ったパンを撮りました(下)。
別府駅前には、別府観光の"生みの親"と呼ばれる油屋熊八の銅像、温泉地らしく手湯があります。
別府駅10時59分発の「にちりん9号」に乗ります(上)。
レッドエクスプレスと名付けられた車体は、JR九州のコーポレーテッドカラー"赤"を身にまとっています(中)。
かなり目立つロゴが刻まれ、古老車両とは思えない派手な外観(下)。
乗車した1号車は、グリーン席と普通席に分かれています(上)。
ちょっと見えにくいのですが、車内の仕切りには、福岡・朝倉三連水車、熊本・通潤橋が描かれています(下)。
別府駅を発車し、東別府駅を通過。1911(明治44)年の開業時に建てられた駅舎は、別府市の有形文化財です。映画「恋空」のラストシーンに"出演"しています。
東別府駅?西大分駅は、別府湾に沿って走ります。左前方に、大分市街地が見えて来ます。
先ほどまで、列車撮影していた乙津川鉄橋を渡って行きます。
臼杵駅から佐伯駅まで、日豊海岸の、美しい景色が車窓に広がります。短いトンネルを抜けるたびに、造船所や漁港、連絡船、手押し車を押すお婆さんが見えました。映画のシーンのような情景に目を奪われます。
12時過ぎ、佐伯駅に到着。上り列車の「にちりん10号」と交換し、宮崎空港駅へ向け出発して行きました。
今や、佐伯は「世界一、佐伯寿司」のキャッチフレーズの通り、寿司の街として知られています。
次回は佐伯寿司を味わい、再び485系特急電車で別府駅まで戻ります。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。