「SL人吉」に乗って汽車旅1
2012年4月 7日
4月の「ぶらっ人from福岡」は、蒸気機関車=SLが牽引する観光列車「SL人吉」に乗車してきましたので、ご紹介します。取材日:2012年3月26日
「SL人吉」は、鹿児島本線・熊本駅と肥薩線・人吉駅を約2時間30分かけて結びます。牽引機関車は、大正1922(大正11)年に製造された8620型・58654機。1988年?2005年まで「SLあそBOY」として活躍していましたが、車両故障が発生。大規模な修繕を行い2009年に復活した経緯を持ちます。
熊本駅2010年4月19日
今回「SL人吉」には、肥薩線起点駅・八代から乗車しました。駅は1896(明治29)年の開業。駅舎の後方に見えているのは製紙工場です。
駅前にある、より藤(上)で駅弁を買いに行きます。九州駅弁3年連続1位「鮎屋三代」=今年1月11日号で紹介=が有名ですが、今回は「うなぎ弁当」と「阿蘇赤うし弁当」。
より藤は鮎料理の老舗店。店内で食事できるほか、お土産にお勧めの、うるか、甘露煮なども販売しています(下)。
「SL人吉」の八代駅出発時刻は10時38分(上)。
長距離列車が行き交った八代駅は、昔の駅の雰囲気が色濃く残っています(下)。
熊本駅を9時44分に出発した「SL人吉」、鹿児島本線を南下し、八代駅には10時31分、3番線に到着。
8620型蒸気機関車の後ろに、3両編成の客車。客車と古いホームは、まさに汽車旅。
早速、客車に乗り込みます。1号車(上)と3号車は展望ラウンジになっています。
下り列車最後尾の3号車は、家族連れでいっぱいなので、後ほど訪れることにします(下)。
車内は、木をふんだんに使っています(上・下)。
私たちは3号車の席に乗車しました。
八代駅を出てしばらくすると、日本三大急流の球磨川が寄り添います。
1909(明治42)年に開通した肥薩線は、1927(昭和2)年まで鹿児島本線を名乗っていました。元・本線の名残から、立派な木造駅舎が数多く残存しています。八代駅を出発して、最初に停車する坂本駅。
肥薩線では、列車に手を振ったり、すれ違う列車で手を振り合う"てをふれーる"を行っています(下)。実際、「SL人吉」にたくさんの方たちが手を振ってくれました。
八代出発後、球磨川第1橋梁で初めて球磨川を渡ります。日本では珍しいアメリカ製鉄橋で1908(明治41)年に竣工しました(上)。鎌瀬駅‐瀬戸石駅2006年4月12日
「SL人吉」が、その球磨川第1橋梁を渡って行きます(下)。
次に停車する白石駅も古い木造駅舎。まるで映画のセットのようです。
車窓を眺めながら、駅弁を開きます。香ばしいうなぎ(上)、熊本名物の赤牛肉がたっぷり入った(下)駅弁に大満足。
球磨川に沿って「SL人吉」は、ゆっくり、のんびり人吉を目指します。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。