魔女の塔(2)
2014年12月15日
マールブルク(ヘッセン州)の旧市街は急な坂道の上にある。そこからさらに坂道を登るとマールブルク城に着く。この城の裏手に魔女の塔がある。4月から10月の土曜日だけガイドがついて内部を見せてくれる。
☆マールブルク城から町を見下ろす
☆マールブルクの魔女の塔
重い扉を開けて、中に入ると狭い独房がいくつか並んでいる。部屋の上の方に明かり取りの小さな窓があるだけ。自由ばかりか命までも奪われてしまった「魔女」たち、その運命を観光客として覗く後ろめたさを感じてしまう。
☆独房の並ぶ塔の内部
☆小さな窓だけの部屋
エッシュヴェーゲ(ヘッセン州)には一人だけのために作られた魔女の牢獄がある。この町に住む主婦が隣家の娘を魔女術で殺そうとしたと訴えられ、石でできた牢に収監された。
☆牢獄はこのような丘の下に作られている。奥手が入口である
☆牢獄のある高台からエッシュヴェーゲの町を見下ろす
彼女が座らされた石の台と床にはそれぞれ小さな穴がある。彼女を縛っていた鎖が取り付けられていた跡である。彼女は1657年に火刑によって命を奪われた。
☆牢獄内部。インフォメーションに頼むと中を見せてもらえる
☆エッシュヴェーゲは木組みの家街道にある美しい町である
((3)に続く)
- 西村佑子(にしむら・ゆうこ)
うお座。早稲田大学大学院修士課程修了。
青山学院大学や成蹊大学の講師を経て、現在はモアビートプロモーションの「ドイツセミナー」講師。
これまでに「グリム童話の魔女たち」展(栃木県いしばし町グリムの館)の企画・監修やドイツ魔女街道ツアーの同行講師、
薬草専門誌に連載記事を掲載するなど、ドイツの魔女と薬草にかかわってきた。
主な著書に『グリム童話の魔女たち』(洋泉社)『ドイツ魔女街道 を旅してみませんか?』(トラベルジャーナル)、
『魔女の薬草箱』『不思議な薬草箱』(いずれも山と溪谷社)、『ドイツメルヘン街道夢街道』(郁文堂)など。