魔女展さまざま(2)
2015年4月13日
ハンブルクの魔女展は大変な評判を呼び、以後、ドイツ各地で次々と魔女展が開かれるようになった。「魔女の噴水」で紹介したギューギュリンゲン(ブログ2月2日)を訪れたのも、この町で開催されている魔女展を見るためだった。
☆市役所前のブロンズ像。作品名は「団結は強し」
☆魔女展の開催されていたレーマー博物館
ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーの母親は魔女の疑いをかけられ逮捕されたという。7年近く獄舎につながれたが、息子の尽力もあって無罪放免された。その裁判がこの町で開かれたのである。この地方における魔女迫害を中心にしたわかりやすい魔女展だった。
☆ヨハネス・ケプラーと母親カタリーナ(パネル)
☆牛乳魔女―柱を乳牛に見立てて、牛乳を盗み悪魔に渡す(パネル)
☆展示会場の一部
イプホーフェンの魔女展についてはすでにお伝えしたが(ブログ9月24日)、魔女展のために町外れで行った公開実験の話にはびっくりした。薪の山で魔女を焼死させるにはどのくらいの薪と燃料が必要だったかを豚を使って実験したのである。考証のためだろうが、野原に設営された薪の山を見て、私は何とも言えない気持ちになった。
☆薪の山の模型
☆実際に魔女たちが処刑された現場はここではない
((3)に続く)
- 西村佑子(にしむら・ゆうこ)
うお座。早稲田大学大学院修士課程修了。
青山学院大学や成蹊大学の講師を経て、現在はモアビートプロモーションの「ドイツセミナー」講師。
これまでに「グリム童話の魔女たち」展(栃木県いしばし町グリムの館)の企画・監修やドイツ魔女街道ツアーの同行講師、
薬草専門誌に連載記事を掲載するなど、ドイツの魔女と薬草にかかわってきた。
主な著書に『グリム童話の魔女たち』(洋泉社)『ドイツ魔女街道 を旅してみませんか?』(トラベルジャーナル)、
『魔女の薬草箱』『不思議な薬草箱』(いずれも山と溪谷社)、『ドイツメルヘン街道夢街道』(郁文堂)など。