The Armory Show 2010
2010年3月 9日
先週はアーティストの児玉幸子さんの招待でアーモリーショー(The Armory Show)へ行って参りました。アーモリー・ショーは1913年にニューヨークで初めて行われたモダンアートの展示会です。当時は「不道徳」「狂気」と非難され、ルーズベルト大統領(当時)は「これはアートではない!」と言ったそうです。しかし今では米国最大の展示会となり、世界中から芸術家やアートファンが集まります。
会場は12アベニュー、55ストリートにあるPiers 92と94。「armory」とは「兵器庫」の意味で、昔は国家警備隊(US National Guard )が使用してたものをアート・ショーのスペースにしたのですが・・・建物内は思ったより倉庫でした。
このアーモリー・ショーの最大のスポンサーであるホンダAcuraのブースにアーティストの児玉幸子さんの磁性流体を使った作品「モルフォタワー(MorphoTower)」が展示されました。
写真は児玉幸子さんとAcuraのデザイナー、ジョー・イケダ(John Ikeda)氏。
児玉幸子さんは、2000年から磁性流体を使って、有機的でダイナミックな表現を展開するアートプロジェクトを、東京の電気通信大学を拠点に進めています。現在は、ニューヨークのブルックリンのスタジオ「Evan Douglis Studio」で新作を制作中されていらっしゃいます。(私の夫がそのスタジオで働いているので今回誘って頂きました。ありがとうございました。)
作品で使われている磁性流体は、車などの機械装置の駆動部分に使われている新素材で、磁力に反応して形状が変わります。一般には目に触れることのないものだったのを、児玉さんの作品では、素材の美しさを最大限に引き出してCG映像のようなリアリティを現実の彫刻の表面にもたらしています。
「モルフォタワー」は2006年に発表されて以来、マドリッドのレイナソフィア美術館、国立新美術館、東京都写真美術館、東京都現代美術館、リンツのアルスエレクトロニカセンター等で展示されてきましたが、ニューヨークでの発表は今回が初めて。アーモリー・ショーという世界中の「アートにうるさい人々」が集まるこの場所で、「モルフォタワー」はどの作品より魅力的でした。人々は必ず足を止め、顔を近づけて見とれます。たくさんの人が「このショーで一番の作品だ!('▽'*)」と言っているのを聞きました。
最近、岐阜の実家の両親がホンダの車を買いました。母がこのAcuraを見たらこっちの方が気に入ってたと思う。(*´∇`*)
VIPラウンジにて。
会場はとても広くてじっくり見みてるとかなり疲れるのですが、正直MOMAよりも楽しかったです。有名なアーティストの作品もたくさん見れたし、ギャラリーの人とお話するのも楽しかったです。とっても貴重な体験ができました。(o^∇^o)ノ
The Armory Show サイト
http://www.thearmoryshow.com/cgi-local/content.cgi
児玉幸子 サイト
http://sachikokodama.com/
- みんたん
みんたん(Midori S. Mans)
岐阜市出身。
2002年ニューヨークに移住。
アートスクールPratt Instituteを卒業後グラフィックデザイナーとなる。
夫と猫二匹(ジャスミン&サファイア)でブルックリンに住んでいる。