清明(シーミー)祭
2016年4月24日
沖縄では、4月に清明(シーミー)祭が行われます。シーミーとは、二十四節気の一つの「清明の節」の新暦の4月の週末に行われるお墓参りで、一族がお墓に集まり、先祖と語らいながらみんなで食事をする行事です。中国の清明節の先祖祭が沖縄に伝わり、沖縄ならではのシーミーとして、旧盆、お正月と同じくとても大切な親戚の集まりとなっています。シーミーは、地域で日にちが決まっているところもあり、ほとんどみんなが車で移動するため、シーミー渋滞もあり、高速道路にも「4月〇日 許田IC、渋滞予想(清明のため)」という張り紙や電光掲示が出ます。
シーミーの時期には、各スーパーでも清明祭特集が行われ、お供え物などの必要なものが売られています。
シーミーでは、墓前に重箱を供えます。重箱の中身はだいたい決まっていて、基本的には、豚肉(三枚肉)煮つけ、揚げ豆腐、赤かまぼこ、カステラかまぼこ、昆布、ごぼう、魚天ぷら、こんにゃく、田芋の9種類のおかずを重箱に市松模様にぎっしりと詰めて準備します。
沖縄のお墓は、一つ一つが小さいおうちのようで、前庭がついています。本土では個人や夫婦単位のお墓が多いけど、沖縄では、一族が一緒に入るお墓です。海が見える、見晴らしがいいところにお墓が建てられることが多いです。
シーミーは、まずはみんなでお墓掃除から!
お墓がきれいになったら、持ってきた重箱などを並べます。線香、お花、お水、うちかび、重箱、おもち、果物、お菓子をご先祖様にお供えします。沖縄ではなぜかレモンケーキとかるかんがすごくポピュラーなお菓子で、よくお供えやお土産として使われています。
お線香を焚き、拝みをして、うちかび(あの世のお金)を燃やしてお酒をかけます。
仏壇のある家(直系が多い)から順番にご先祖様に近況などを報告します。
拝みが終わったら、うさんでー(お供えのお下がり)をみんなでいただきます。
ちょうど新年度の始まったころなので、お互いの近況報告などをしながら、お酒を飲んだり、ご飯を食べたりする、和気あいあいとした集まりです。沖縄では親戚のつながりが深く、また、故人を身近に感じている人も多く、「おばあちゃん(故人)、〇〇だよ。」などとお墓とも語らいながら過ごすので、ご先祖様もこうやってみんなが来て、にぎやかにお話してくれるのはきっとうれしいことでしょう。
日差しも強くなり、通り雨も多い時期なので、テントやパラソルをたてたり、バーベキューなどを行っている家族もあり、お墓でピクニックをしているようです。
つながりが希薄になってきている今の時代だからこそ、こうやって普段は離れて暮らしている親戚も集まって、世代を超えて一緒に楽しみ、ご先祖様に感謝するという文化はこれからも続いていってほしいと思います。
- 田辺 里美
南国リゾートが大好きで、2002年に家族で沖縄に引っ越し。
本島内を中心にくまなく遊びながら情報提供しているうちに、観光関係(特に家族旅行)を中心としたライターの仕事も受けるようになる。
趣味はシュノーケルと食べ歩きと旅行。食べ歩きのせいか、どんどん横に大きくなるのが悩みの種。離島へのミニ旅行が楽しみで、特に宮古島と阿嘉島が好き!
息子たちが巣立った後は、夫と小さい民宿を開くのが夢。
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