御嶽山...3年目の秋
2017年10月 9日 国内
2014年9月27日、11時52分。御嶽山は突然噴火しました。
紅葉シーズン、晴天、週末、お昼時...それらの条件が被害を甚大なものにすることになりました。
大勢の方が亡くなり、今も行方の分からない方がいます。
あれから3年が経ちました。
今年、立入規制が一部解除されたことを受け、久しぶりに御嶽の登山ツアーを実施しました。
今回は7月に次いで2度目の催行です。
今回のツアーの参加者は10名。引率するスタッフは3名です。
左は、木曾御嶽案内人で強力(ごうりき)の倉本豊さん。
御嶽に登り続けて40年以上。信者さんのお世話や、山小屋の修繕、登山道の整備など、今も御嶽を仕事の活動の拠点にされています。
真ん中は、信州をベースに登山ガイドをされている小川さゆりさん。
小川さんは御嶽が噴火したとき山頂付近に居合わせていました。噴石が激しく降る中で、自ら命を守り、無事に下山されました。
その様子は小川さんの著書「御嶽山噴火 生還者の証言」(ヤマケイ新書)に著されています。
そして、右が私です。
登山のスタートは岐阜県の濁河温泉です。紅葉が少しずつ下りてきています。
途中、こんな岩もあります。角度によってはそう見えますね(笑)
濁河温泉から最初の目的地・飛騨頂上までは高低差が約1000m。徐々に高度を上げていきます。
歩くこと約4時間。飛騨頂上に建つ五の池小屋に到着です。
五の池小屋、小屋番の市川さんです。小屋を切り盛りするナイスガイです。
五の池小屋はカフェのメニューも豊富!
夕食です。登山者が集まり食事と歓談を楽しみます。
五の池小屋の食事はシンプルですが真心のこもった手づくり。
美味しくて、疲れた体に嬉しいメニューです。
そして、五の池小屋といえば、これ!
薪ストーブです。登山者が暖をとるほか、ピザやケーキを焼いたりします。
心地いい空間をつくっています。
翌朝、晴天でした。
継子岳に向かいながらご来光を待ちます。
中央アルプスの向こうから日が昇ります。一日の始まり。暗闇から登る太陽は体を温め、そして、心も明るくさせてくれます。
朝日に赤く染まる御嶽。右に摩利支天、左奥に最高峰の剣ヶ峰。
継子岳からの眺望です。北には乗鞍岳、その奥に北アルプスの山並み。
途中、こんな自然のオブジェが。
五の池小屋を後にし、次は三の池に下りました。
満々と水をたたえる神聖な池です。その水は「御神水」と呼ばれ信者さんたちに大切にされています。
登りかえして、二の池を目指します。振り返ると正に「天空に浮かぶ神秘の池」。
剣ヶ峰を見上げながら悠々と歩いていきます。
二の池に着きました。現在、行くことができる御嶽の頂上に一番近い場所です。
現在の二の池の様子です。火山灰が日本最高所の池のほとんどを覆ってしまいました。
下の写真は2014年、噴火の年の7月に私が撮ったものです。上の写真とほぼ同じ位置です。
噴火が二の池の姿を一変させてしまったことをお分かりいただけると思います。
登山ガイドの小川さんが噴火したときの様子を語ってくれました。
頂上に向かって、皆で黙とうを捧げます。
二の池の近くにできた小さな池。最近、2.5の池と呼ばれるようになったそうです。
二の池を後にして下山。
途中、登ってくる登山者とすれ違いました。
白装束のこの方。溝口さんです。
溝口さんも噴火のときに居合わせた登山者のひとりです。
小川さんの本を読み、生きることの意味、登山することの意味を考え直し、新たな気持ちで登ってこられたそうです。
木曾御嶽山。地元の方は親しみを込めて、そして、畏敬の念を表してこう呼びます。
「お山」。
この日、行楽シーズンの週末ということもあり、「お山」はたくさんの登山者で賑わいました。
これからもたくさんの登山者、信者さんが「お山」に登り続けることでしょう。
登ることの意味はそれぞれが持つものですが、自然に対峙する心構えは同じように持っていきたいものです。
遥か悠久の昔、人々が「お山」を神として崇めた気持ちを感じた山旅でした。
2017年10月7日、8日
~ GAKU
- エミリー
エミリーです。笑顔との出会いと土地のおいしいものを食べる時に旅の幸せを感じます。添乗に出る時は、ミラーレスカメラ一眼で写真を撮ることも。カメラを向けたらぜひ笑顔で返してください。国内・海外のクルーズにもはまっています。
- みっぴー
添乗やプライベートで年間20回ほど渡航し、その中でも韓国は150回以上! 夢は韓国系航空会社の機内誌にコラムを書くこと。それなりの“ネタ”をたくさん持ってます!
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海の中から3000m級の山まであらゆる場所に出没する人畜無害のさすらい自由人。新しいもの好きで、好奇心旺盛。今日もどこかで面白いものを求めて彷徨っています。
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