春の近江路、桜の大津・寺社めぐり
2016年4月11日
桜咲く4月、近江路は琵琶湖大津へ出かけた。
目的は近江路の桜鑑賞であったが、桜の名所を調べていると古刹名刹が大津の桜の名所になっている。
しかも33年に1度の御開帳や、話題の映画の舞台になっている神社もある。
春の風に誘われて、京阪電車の石山坂線沿線にある3つの寺社を訪れた。
最初に訪れたのは石山寺(いしやまでら)。
JR東海道本線の石山駅で京阪電鉄石山坂線に乗り換えて2駅、終点となる石山寺駅から徒歩15分ほどで山門に着く。
向かう途中の沿道には、市民の協力によるビオトープが作られ、心和ませてくれる。
今年、石山寺は33年に1度の本尊(秘仏如意輪観世音菩薩)の御開帳の特別拝観が行われている(2016年12月4日まで)。
石山寺の本尊は、日本で唯一、天皇の命令によって封印された勅封秘仏であり、見るべき価値は高い。
扉が開けられた本尊の姿を拝んだ。
33年分の世を見ているかのようなその澄んだ表情に、その重みと価値を感じる。
石山寺は、紫式部が「源氏物語」を書き始めた起筆の場所と言われている。境内には、紫式部の像が設置され、穏やかな山寺を眺めている。
森と木々に囲まれた石山寺は、山寺らしく、その木々の四季の表情にお堂が溶け込んでいる。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と、色づく木々の花や葉が山寺を染める。
石山寺をひと巡りし、2つ目の寺社、三井寺(みいでら)に向かった。
石山寺駅から約20分、のんびりしたローカル列車の京阪電車に揺られ三井寺駅に着いた。
駅を降りると、琵琶湖の水を京都まで流すために作られた琵琶湖疎水(水路)がある。
疎水沿いには桜が咲き、三井寺までの参道を華やげる役割を果たしている。
三井寺は、天台寺門宗の総本山として平安時代からの歴史がある。
桜の時期には、ライトアップが行われ、夜の桜の名所としても知られる。
高台にあり、琵琶湖を一望できるのも魅力である。
そして、最後に訪れたのはこの春公開された映画「ちはやふる」のロケ地ともなった近江神宮。
小倉百人一首の第一首目の歌を詠んだ天智天皇を祀る神社として、百人一首やかるたとの縁が深く、
競技かるたの名人位・クイーン位決定戦や大学や高校の全国大会などが開催される、まさにかるたの聖地となっている。
近江神宮の境内にも桜が咲き誇り、赤い楼門とのコントラストも美しい。
春の近江路の寺社めぐり。3か所をぐるり半日でめぐることができる。
運がよければ映画「ちはやふる」のラッピング電車にもめぐり会える(期間限定運行)。
それぞれの寺社が森や木々に囲まれており、桜の時期はもちろん、紅葉の時期など四季折々の良さが見られることだろう。
- 田中 三文 (たなか みつふみ)
愛知県豊橋市生まれ。
出版社勤務を経て、現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 上席主任研究員。
愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)
地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。
2012年より2014年まで昇龍道プロジェクト推進協議会・台湾香港部会長を務め、
同エリアのインバウンド促進計画や外国人受入環境整備などにも力を注いでいる。
旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。
日本の真ん中に位置する中部北陸地域の形は、能登半島が龍の頭の形に、三重県が龍の尾に似ており、龍の体が隈無く中部北陸9県を昇っていく様子を思い起こされることから同地域の観光エリアを「昇龍道」と呼んでいます。
この地域には日本の魅力が凝縮されており、中部北陸9県が官民一体となって海外からの観光客誘致を促進する「昇龍道プロジェクト」も好調です。このブログでは、「昇龍道」の四季折々の姿を写真と文章で紹介していきます。
投稿についての注意事項
- このブログへのご質問については、内容によってお答えできない場合や、回答に時間がかかる場合があることをご了承ください。