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コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

ヤマハレディース

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比嘉真美子、優勝の瞬間何度もガッツポーズの後キャディーとハグ。

比嘉真美子、優勝の瞬間何度もガッツポーズの後キャディーとハグ。

 女子ツアーではここ数試合、若手新人の初優勝が続いている。ヤマハレディース最終日、また新たな新星が誕生した。昨年プロデビューの比嘉真美子19歳、昨年賞金シードは取れなかったがステップアップツアー優勝、QTランク10位からの出場だ。レギュラーツアー10試合目、それもプレーオフでの優勝は大物ぶりをうかがわせる。

 この日スタート直後まで雨が残ったが、次第に雨が上がり、午後には強風が吹き始める。スタートはワンウェイ、前半スタートの選手達は雨の影響を受けたが、後半の選手達は強風の影響を受けることに。風速7m気温も低く14℃。上位の選手がスコアを落とす中、耐えたのが最終3~4組前スタートの比嘉真美子、大江香織、テレサ・ルーの若手3選手だ。

プレーオフ2回目バーディーパットを決められず呆然とするテレサ・ルー。

プレーオフ2回目バーディーパットを決められず呆然とするテレサ・ルー。

 優勝の比嘉真美子、1番ボギースタートだったが、粘り6番7番バーディー、15番でもバーディーを撮り通算-4で2位フィニッシュ後続組を待つことに。この時点で首位は-5のテレサ・ルー。
その後大江香織が18番をバーディーで上がり-4フィニッシュで2位タイに。単独首位のテレサ・ルーの18番、3打目をグリーン左のバンカーへ結果ボギーとし-4で3名によるプレーオフに。

 プレーオフ1ホール目は3名ともパーで決着が着かず、カップを切り替え2ホール目へ突入。
2ホール目比嘉は果敢に2オンを狙ったが球はグリーン手前のバンカーへ、しかし強い攻めの気持ちは変わらない、3打目バンカーショットを2mに寄せる。刻んで距離を残した大江やテレサ・ルーを尻目に堂々のバーディーでガッツポーズ優勝を決めた。

プレーオフ1回目の大江香織、3名ともパーで2回目へ。

プレーオフ1回目の大江香織、3名ともパーで2回目へ。

 優勝会見では「雨、風は自然のもの。自然を利用してプレーした、雨風を嫌だなと思わずプレーできたのがよかったと思う」「絶対に自分を曲げないことを意識してプレーした、昨年、富士通のハーフターンで自分が上位にいることを認識、守りに入ってしまい、いつもは刻まないホールで刻んで3連続ボギーを叩いてしまったので…」

 その強い攻めの気持ちがプレーオフ2回目の2オンチャレンジに繋がったようだ。3打目はバンカーショットだったが、結果寄せることができバーディーに。

家族3人で記念撮影に収まる、この優勝は家族で勝ち取ったもの。

家族3人で記念撮影に収まる、この優勝は家族で勝ち取ったもの。

 比嘉真美子が父からゴルフの手解きを受けたのは小学生の頃。「父はあまり上手くなかったが(90くらい、世間では十分上手い方だ)よく一緒に競い合いました。口数の少ない人だったので、何か言葉をかけてもらったことはあまり無いですが、言葉にはならない愛情を感じていました」。その父を高校2年の時に亡くし、幼い頃には兄を亡くしている。「5人いるはずの家族が3人になってしまって…ほんと辛い事が多すぎて…末っ子の自分には明るく振舞って母や姉を元気づけることしか出来なかった。そんな中でも母や姉は私を全力でサポートしてくれた。今回の優勝は家族で勝ち取ったもの、母姉と一緒に3人でカップを持てたのは感無量です」

 また「このコンディションの中4日間競技で勝てたことはホント自信につながる」と語った。今回優勝の比嘉真美子も前週アクサレディス優勝の堀奈津佳にしてもそうだが、今は死語?になってしまったような「hungry」を彷彿させるような優勝が続いた。

 アクサレディスの件を考えてみても、堀奈津佳のあの立場あの状況ではスコアを落とし自滅してしまう場合がほとんど。その中で耐え忍び堂々の3打差ぶっちぎりの優勝。誰にも文句を言わせない勝ちっぶりだった。韓国旋風吹き荒れる女子ツアーに突如現れた期待の新星、今後の彼女達の活躍にエールを贈ろう。

2013年04月23日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。