そうだ、シニアツアーへ行こう!先日「~シニアを元気に~KYORAKU MORE SURPCUP」が三重県いなべ市の涼仙ゴルフクラブで開催された。京楽産業がスポンサーになり今年新設されたシニアツアーだ。華やかなレギュラーツアーに比べると何か…地味な感じのするシニアツアー。そのシニアが近年盛上がりを見せはじめている。スポンサーも増え今年は12試合、賞金総額も5億9000万円と大いに飛躍。往年の名選手がレギュラーから移行してきている事もあるが、先日の井戸木鴻樹の全米プロシニア選手権優勝も一役荷担っているだろう。
シニアツアーの魅力?それは大会の雰囲気にあるのでは?青木功、中嶋常幸、倉本昌弘、尾崎直道など、レギュラーで鎬を削ってきた名選手達がほのぼのとした雰囲気の中プレーしている。レギュラーの様な「ピリピリ」とした緊張感はあまりなく、笑顔と笑い声が飛び交いアットホームな雰囲気なのだ。そこにはゴルフという道を極めてきた者達の余裕と美しさが垣間見える。
ギャラリーこそ最終日1500人くらいと少ないが、男女レギュラーよりもゆったりと楽しめるのも良い。意外だがギャラリープラザも充実していて、レギュラー並みの飲食施設やイベントもある。入場チケットも土日\2000とリーズナブル。それも「フード、アトラクションチケット\1000付き」とお得!。ウルトラマンショーや仮面ライダーショーなど子供向けのイベントもあり家族で楽しめる。ただ、トイレはちょっと少ないかも?だ。
そして試合の方は?KYORAKU CUP最終日、初日からトップを独走した室田淳が土壇場でのプレーオフの末優勝。シニア通算9勝目を飾った。この日最終組3打差首位スタートの室田だったが中々バーディーに恵まれずパーセーブの「我慢」のゴルフが続いた。12番でロングパットを沈め、やっとバーディーを取るも13番でボギー…14番をバーディーとし再び-12に。同じ組7のマイヤーが16、17番と連続バーディーで追い上げ-10と2打差に迫る。「18番マイヤーはイーグルの可能性もあったからね。」しかし18番グリーンに上がってみると、何と…奥田靖己がこの日10バーディー3ボギーと猛追して並んでいた…しかも3打目はグリーン奥のバンカーからだ。「ここでバーディー取らなきゃと焦った」3打目のバンカーショットは5m残った、バーディーパットを外し勝敗はプレーオフに。
プレーオフ1ホール目、ティーショットは二人ともフェアウェイに。二打目、先に打った奥田のボールはグリーン手前の池に吸い込まれる。室田は2打目を寄せ難なくバーディー、決着がついた。
「18番グリーンまで奥田君が並んでいることに気付かなかった。途中スコアボードないしね、同じ組の真板君とマイヤーと争っているだけだから…もし17番にボードがあったらビビッテたかもね」「しかし最終日は中々思うようにはさせてくれないよね、今日はホント緊張してました。大会のホストプロとして責任を果たせて良かった。」
「最終日は優勝を意識しないということはない、そのためにはリスクをとらないと優勝できない。ゴルフは“気持ち”が大切で、その点海外の選手は精神的にタフで強い。コースもタフでやさしくない、その環境の中でやっているのでタフになる。レベルの高いのが100人くらいはいるので自分が1つ飛び抜けないと優勝できない。 海外の試合に参加することで日本と違う環境で勉強できる。今、石川君行っているけど良い経験してるなぁ」「今後はレギュラーで優勝できるように頑張りたい、そのためにQTに参加して出場権を取った、レギュラーで優勝して若い選手にギャフンと言わせたいね」と、さすが室田さん。質問しなくてもペラペラ喋ってくれる。鉄人室田のゴルフへの熱い「気持ち」が伝わってくる優勝会見だった。
試合数も増え盛り上がりを見せ始めたシニアツアー。今年はもう東海地方での試合はないが、観光を兼ねて9月に石川県で開催される小松オープンなどは如何か?近くに粟津温泉や九谷焼などもあり楽しめるのではないだろうか?
2013年06月20日