最終日の18番グリーン、一瞬の静寂が大歓声に包まれる…そんな華やかなレギュラーツアーとは逆に淡々と進行していくプロのトーナメントもある。チャレンジトーナメントと呼ばれる2部トーナメントだ。
先日、千葉で開催された男子チャレンジトーナメント「ひまわりドラゴンCUP」に行ってきた。会場は千葉夷隅ゴルフクラブ、千葉といっても勝浦寄りで勝浦から車で40分程北上した山奥だ。ゴルフ場のすぐ前をローカル線「小湊鉄道」が走る。
このチャレンジトーナメント、女子では「ステップアップツアー」と呼ばれる2部トーナメント。いわゆる野球やサッカーで言う2部リーグ。レギュラーツアーでシード落ち、またはレギュラーのシードが無い選手達が来季のレギュラーツアー出場権を賭けて戦うトーナメントだ。
通常レギュラートーナメントは4日間72ホールで競われるが、チャレンジでは2日間36ホールで競われ、初日18ホールの上位60位タイまでの選手が決勝ラウンドへ進むことが出来る。賞金もレギュラーツアーに比べて格段に安く総額で1000万~1500万円程、優勝賞金も180~270万円とレギュラーの1/10程だ。
チャレンジトーナメントで賞金ランク1位に入れば来季のレギュラーツアー出場資格がえられ全試合に出られる。また上位6名にはレギュラー前半戦の出場資格も与えられるが、このチャレンジトーナメントに出場するにもQT(クオリファイングトーナメント)で上位120名に入らなければならない。またQTの最終戦で上位30名に入ってもレギュラーツアーの出場権が与えられる。レギュラーツアーで活躍するためにはこの一つ一つをクリアしていかなければならず、正に至難の道程なのだ。
若手の台頭が目ざましい中、レギュラーツアーのベテランといえども一度シードを陥落すればレギュラーに戻るのは容易ではない。よってツアー終盤に入ると賞金ランク争いが熾烈になる。ちなみにレギュラーツアーでシードを得られるのは60位までだ。
チャレンジ出場選手の中には日本プロゴルフ選手権や日本ゴルフツアー選手権など国内メジャーを制覇した有名選手も多い。また、注目の若手選手もいて新旧織り交ぜての熱戦が淡々と繰り広げられている。かつては片山晋呉や藤田寛之、池田勇太もチャレンジから出発した。今年の日本ゴルフツアー選手権で優勝した竹谷佳孝も、昨年のチャレンジ賞金ランク2位でレギュラー前半戦出場のチャンスを掴みツアー選手権優勝へと繋げた。
ベテランはレギュラーへの復活を賭けて、若手はレギュラーへのステップアップとして“もがき苦しみ”チャレンジを戦っている。
また、ギャラリーの入場料も安く中には入場無料の大会も多い(ちなみに本大会は無料)、レギュラーで活躍した選手をタダで見られるのも“お得”かもしれない。
会場内の雰囲気もレギュラーツアーとは程遠い、スタートホールと言えどティーフェンスも無くスタートテントがあるだけ、間違ってもギャラリープラザや売店など無い。通常営業のゴルフ場と何ら変わりはない。コース内もローピングがあるわけでもないので、気を付けないと危ないこともあるが、ギャラリーとはいえほとんどが選手の家族や関係者、コースのメンバーだ。
騒然としたレギュラーツアーとは違いトーナメントの雰囲気は無いが、今現在一流所?では無い後のスター選手を活躍前から目星を付けておくのも良いかも知れない。チャレンジと言えどスター性のある選手は何かキラリと光るものがある。今シーズンは残り少ないが、来年も10試合以上はあると思われるので一度チャレンジトーナメントに出かけてみては如何か?ちなみにチャレンジトーナメントは大々的には宣伝しないので、日本ゴルフツアー機構のホームページなどで調べてから出かけよう。
2014年10月15日