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コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

ひまわりドラゴンCUP

ひまわりドラゴンCUP

決勝ラウンド18番グリーン“練習通り”のラウンドで満足気な川上優大。

決勝ラウンド18番グリーン“練習通り”のラウンドで満足気な川上優大。

 男子のチャレンジトーナメント、ひまわりドラゴンCUPに行ってきた。会場は千葉夷隅ゴルフクラブだ。今年もチャレンジトーナメントでは新人プロやレギュラーシード権のない選手、シード落ちの選手などがレギュラーシードを目指して鎬を削っている。下部トーナメントとは言えこのチャレンジトーナメントに出場するにも前年度のチャレンジツアーで賞金ランク30位以内、もしくはファイナルQT(クオリファイングトーナメント)で上位120名に入らなければ出場すら出来ない。このチャレンジトーナメントで優勝すればレギュラー2~3試合の出場資格が得られ、チャレンジ賞金ランク1位になれば翌年のレギュラーシード権が得られる。 華やかなレギュラートーナメント出場権を得るのも中々厳しい道程だ。また、現在レギュラーで活躍する選手でも成績が悪ければチャレンジで結果を出そうと挑んでくる。ここでも結果が出なければQTからやり直しだ。その最前線でベテランと新人、若手が鎬を削る場でもある。
 最終日決勝ラウンド11アンダーが7名という混戦。これを征したのがプロ1年目の川上優大だ。最終組から9組前、5組目4アンダーでスタートした川上は、最終日8バーディーノーボギー64と猛チャージ12アンダー単独首位で先にフィニッシュ。 待つこと2時間、後続組がスコアを伸ばすことが出来ず通算12アンダーで初優勝を手にした。

優勝カップを手にする川上優大。8バーディーノーボギー通算12アンダー。

優勝カップを手にする川上優大。8バーディーノーボギー通算12アンダー。

 昨年末ツアープレーヤーに転向したばかり、5試合目で優勝とは期待が持てるが、今年から挑戦しているチャレンジトーナメントは4戦全て予選落ち。今大会前まで思い通りの結果が出ずに迷っていたが、コーチに「練習で出来ていることが試合では出来ていない。試合も練習のつもりでやってみたら」というアドバイスを受けて気楽に参戦。会場に来ても練習ラウンドもせず試合に臨んだ。予選ラウンドは4アンダー22位タイで予選通過し、「始めての予選通過だったので素直に嬉しかった。でもそれ以上に練習の成果を実感しながらラウンドできたのが嬉しかったです」。そして迎えた決勝ラウンドは「今日もやることは同じ。順位など気にせず練習の感覚でプレーしようとだけ考えていました」。その結果この優勝に繋がったようだ。
 チャレンジトーナメントはレギュラートーナメントとは違い速報版も2ヶ所しかない。スコアラーはトップ5組のみ、それ以外はホールアウト後の結果が反映されるのでリアルタイムではないのだ。よって周りの順位やスコアなどの正確な情報に触れる機会もない。その様なことも川上がプレーに集中できた要因なのでは?川上も18番グリーンにて初めて自身の優勝の可能性を意識したのではないのだろうか?今年の目標はチャレンジ2勝、早くも1勝を手にして「優勝できたことで周りの見る目も変わってくる。身を正して浮かれず2勝目を目指して頑張って生きたいです。次回も練習の延長でできたらいいですね」と語った。

勝浦タンタンメン。玉ねぎのみじん切りが特徴、ゴマは入っていない。

勝浦タンタンメン。玉ねぎのみじん切りが特徴、ゴマは入っていない。

 ここ夷隅は半分海に面しており勝浦に近いため海の幸も豊富。泊まりは勝浦なのでご当地グルメを堪能…、と言っても「人口希薄地帯」のため飲食店は限りなく少ない。ホテルの近くのいつもの居酒屋さん「大衆割烹味翔」で毎晩お世話になった。勝浦は「勝浦タンタンメン」が有名で、ラーメン屋に限らず居酒屋、喫茶店などでもメニューとして出している。この勝浦タンタンメン、最近のご当地グルメブームに乗り登場したかと思っていたが実は長い歴史があった。 発祥は1954年、勝浦の漁師や海女の冷えた体を温めるために好んで食され定着したとされる。なるほど、その辛さは体が火照ってくる。中には汗をかきながら食べている人も。
味は醤油ベースで、一般的な坦々麺とは違いゴマや芝麻醤は入っていない。特徴は「刻み玉ねぎ」が入っているところ。スープ表面にはラー油がたっぷりと膜を張っていて湯気が出ていない?なるほど、このラー油、熱を逃がさないようにフタとしての役割があるのかも?麺を持ち上げるとアツアツの湯気が…。坦坦麺というか坦坦麺風と言うべきか?なので「勝浦タンタンメン」という料理なのだ。
 もう1つこの房総地方の郷土料理「なめろう」という料理がある。鯵やサンマ、鰯などの青魚の三枚おろしに味噌、葱、大葉、生姜を加え細かくなるまで叩いた料理だ。言わば「なます」の様なもので酒の肴には最高。ご飯にも合いお茶漬けにしても良い。

上総中野駅の駅舎。もちろん無人駅だ。

上総中野駅の駅舎。もちろん無人駅だ。

 実はこの大会、今回が最後ということで帰りにいすみ鉄道を見学しに上総中野駅へ(撮鉄ではない)。いつもホテルからゴルフ場へ向う途中線路脇を走行しているのだが、何せ2時間に1本くらいなので中々出会えない。いすみ鉄道は上総中野駅間から大原駅までの27.6キロ区間、上総中野駅から千葉五井までは小湊鉄道となっている。 いわば房総半島を横断する形になっていてJR内房線と外房線を繋ぐ役割をしている。 元はと言えば国鉄木原線の廃止に伴ない第三セクターとしていすみ鉄道が設立され引き継いだのだ。 引き継いだのはいいが万年赤字続きで存続の危機に立たされたことも。2009年に公募で選ばれた「鉄ちゃん」鳥塚氏が社長に就任、旧国鉄のキハ28、キハ52を用いたグルメ列車「レストランキハ」やムーミン列車を企画。長閑な沿線にムーミンキャラクターを配置するなど「ムーミン谷」を再現、人気ローカル線へと再生させた。2011年には訓練費用700万自己負担の条件で運転士を募集し、この制度を利用した13名が運転士として活躍している。 今や全国の“鉄ちゃん”の憧れへと生まれ変わったいすみ鉄道。こんな鉄道でのんびり旅をするのも良いものだ。

2016年07月20日

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取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。