【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント
  4. 東建ホームメイトカップ 2017

コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

東建ホームメイトカップ 2017

東建ホームメイトカップ 2017

10番Teeに新たに整備された花壇。

10番Teeに新たに整備された花壇。

 国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」に行ってきた。今年は桜の開花が遅れ、大会初日の13日に満開状態。昨年ここの桜を撮影したが、4月3日くらいが満開だったので大幅に遅れていることになる。コース内花壇のチューリップやビオラなどの花もちょうど見頃で、桜と花壇の花達の共演が見事だった。主催者の東建コーポレーションの社長がガーデニング趣味ということもあって、1番、10番Teeともティー周辺が整備され、美しい花壇ができていた。年々変化していくコース景観は選手やギャラリーの目を楽しませた。

 
17番バーディーパットを外した藤本佳則。「やってしまいました」ここは確実に取らなくてはいけないホールだ。

17番バーディーパットを外した藤本佳則。「やってしまいました」ここは確実に取らなくてはいけないホールだ。

 本命二人(池田勇太、谷原秀人)のいない今大会であったが、初日トップの星野陸也、今平周吾、稲森佑貴、韓国の新星、任成宰(イムソンジェ)など若手の台頭という観点では見応えがあった様に思う。
 優勝は中国の梁津萬(リャンウェンチョン)。単独首位13アンダーでスタートした梁津萬は、1番ボギーと不安のスタートだったが後半4バーディー。「後半2打差なら何とかなる。2組前の藤本選手より同組の藤田選手を警戒していました」と言うように、尊敬する藤田とは、2014年「アールズエバーラスティングKBCオーガスタ」でのプレーオフで負けたとき以来のリベンジマッチだった。対する藤田寛之は2バーディー2ボギーのイーブンパー11アンダーで4位タイと振るわなかった。
 2組前8アンダー7位タイスタートの藤本佳則が前半5バーディーとブレイク。梁の7番ボギーで並び9番バーディーで逆転単独首位に。12番バーディーで2打差をつけるもその後は伸ばせなかった。
 15番ホールは梁がバーディー、再び単独首位に立つ。その頃藤本は17番セカンドにいた。セカンドショットはグリーン右ラフへ…。17番グリーン脇にはスコアボードがあり、スコアを見て1打差をつけられたことに動揺したか?ラフからの3打目を寄せきれず5メートルを残し2パット。「やってしまいました…」この17番は518ヤード、パー5で絶好のイーグルチャンスホールなのだが、イーグルとまでは言わないが、優勝するには確実に決めなければならないホールだ。梁はこの17番で難なくバーディー2打差をつけほぼ勝負あり。18番パー、2打差16アンダーで日本ツアー2勝目を挙げた。
 藤本は6バーディーノーボギーも17番のチャンスを逃したのが大きかった。優勝圏内だっただけに、優勝するためには決める所は確実に決めないと優勝できない。それだけにここ東建多度の最終日17番ホールにはドラマがあると言えるだろう。

 
いつも難しい顔の梁津萬。18番ティーショット。優勝を決めた後は終始笑顔だった。

いつも難しい顔の梁津萬。18番ティーショット。優勝を決めた後は終始笑顔だった。

 ひと昔前までは「中国のプロゴルフ選手」???という感じだったが、近年中国選手の台頭が目ざましい。国内男子ツアーでも呉阿順が活躍。女子でもフォンシャンシャンなどが世界的な活躍を見せている。あの森田遥も中国国籍だった。また国内女子では今年“中国美女プロゴルファー”セキ・ユウティがツアーデビュー。女子は益々盛上がりそうだ。
 最近の中国のゴルフ事情というと、環境問題で多くのゴルフ場が閉鎖されたり、「ゴルフは金持のスポーツ」ということで批判の標的にされるなどかなり厳しい噂も聴くが、国家戦略スポーツとしてのゴルフは別なのだろう。梁津萬の目標もオリンピックだ。リオでは残念ながら代表の枠からもれたが3年後の東京を狙う。日本勢もがんばらないと中国勢にメダルを持っていかれること必至だ。

 
あこがれの藤田選手とツーショット撮影。普通なら“チャリティーフォト”というイベントになるところだが…。選手も率先して対応し、最終日は行列が出来ていた。

あこがれの藤田選手とツーショット撮影。普通なら“チャリティーフォト”というイベントになるところだが…。選手も率先して対応し、最終日は行列が出来ていた。

 今年、男子ツアーでは新たな試みが始まった。今まで会場内はギャラリーによる撮影は全て禁止だったのだが、今年からフォトエリアが設けられ、エリア内であればギャラリーでも選手の撮影が可能になった。クラブハウス前や練習場など場所は限られているが、ギャラリーにしてみれば最高のファンサービス。ハウス前ではお気に入りの選手とのツーショット撮影などで行列が出来ていた。
 最近はスマートフォンが普及し、内蔵カメラの高性能化により誰でもカメラを持ち歩いている状態だ。
 コンパクトデジカメや一眼なら目立つが、スマホなら分かりにくいため試合中にスマホなどでこっそり撮影しているギャラリーもいて、よくスタッフから注意を受けている。
 「試合中に“パシャ”とやられるくらいなら、いっそ撮影エリアを設けて撮らしてしまおう。ファンサービスにもなるし…」とういことで、選手会長の宮里優作の提案で試行錯誤の末始まったらしいが今後定着するかは未定。今のところ選手からの苦情もないらしいが、ギャラリーのマナー次第では今後中止になることもありうるかも?だ。実際、よく理解していないのか、コース内でパシャパシャ撮っているギャラリーも見かけたのでギャラリー自身も注意が必要だ。日本人選手の活躍もさることながら、新たな試みで男子ツアーを盛返すことが出来るか?男子ツアーもいよいよ正念場を迎える。

2017年05月12日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。