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コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

中京テレビ・ブリヂストンレディースオープン 2018

中京テレビ・ブリヂストンレディースオープン 2018

ブリヂストン杯と中京テレビ杯2つの優勝カップを傍らにガッツポーズのぺヒギョン。「まだ優勝の実感はないです」。

ブリヂストン杯と中京テレビ杯2つの優勝カップを傍らにガッツポーズのぺヒギョン。「まだ優勝の実感はないです」。

 “サンデーバックナイン”。スポーツ紙のゴルフ記事などでよく目にする言葉だが、その意味は最終日(日曜日)の後半9ホール(10番~18番ホール)のことを指す。クラブハウスの正面にあるフロントナイン(1番~9番)に対して裏側に設置されていることが多いため“バックナイン”という。

 プロのトーナメントではこの最終日後半9ホールが“勝負所”なのだ。上田桃子曰く「初日から勝負を賭けに行っている様では余力がない。そこまでは良かろうと悪かろうと淡々と最終日のバックナインにあわせて準備するプレーをしていくだけ」。

 選手達は自分の調子やコースセッティングに合わせ、予選ラウンドを淡々とこなして最終日に合わせてくる。勝負は最終日の後半9ホールなのだ。その勝負所のために最終ラウンドの前半までプレッシャーをかけあいながらポジション争いをする。より良い順位で最終日後半9ホールを迎えられる様に…初日から“全開”ではないのだ。初日から集中していては最後の勝負所で切れてしまう。メンタル的にも4日間(3日間)のマネジメントが重要なのだろう。

 特に実力のあるベテラン選手は“サンデーバックナイン”の重要度をよく分かっていて、予選ではパッとしなくても最終日にはきっちりと好位置につけてくる。

 よって初日などはペースを把握できていない新人や、“がむしゃらな”若手選手がよく上位に顔を出す。決勝ラウンドに入るとベテランが実力通りの動きをするので、ズルズルと後退して順位が入れ替わる。もちろん予選落ちは論外だが、それはそれで次の試合に向けて気持の切りかえにもなる。
因みに我々フォトグラファーも一番集中するのは“サンデーバックナイン”なのだ。

セカンドショットを放つ小祝さくら。前半は2つのボギー。しかしそのまま崩れることなく後半猛チャージ通算11アンダー2位タイは立派。

セカンドショットを放つ小祝さくら。前半は2つのボギー。しかしそのまま崩れることなく後半猛チャージ通算11アンダー2位タイは立派。

 中京テレビブリヂストンレディースオープン最終日、“本命”鈴木愛が初日から欠場するも若手が“サンデーバックナイン”を盛上げた。日本ツアー4年目の“伏兵”韓国のぺヒギョンが7バーディーノーボギー65で回り初優勝。プロ2年目20歳の小祝さくらが2位タイと優勝争いに絡んだ。

 最終1組前2打差6アンダー3位タイからスタートのぺヒギョン、前半2つのバーディーを積み重ね12番~14番では3連続バーディーを決め単独首位に躍り出た、まさに“後半勝負”に出た形。迎えた最終18番では4メートルのバーディーパットを沈め優勝を決めた。“伏兵”と表現したがタダの伏兵ではない。韓国アマで大活躍し日本ツアー1年目の15年シーズン賞金ランク32位でシード獲得。16年14位、昨年は17位で5122万円を稼ぎ、何度も優勝争いを経験しての初優勝。長く待ちわびた優勝だった。だが、本人曰く「日本のツアーでプレイすることだけが目的だった。今まで優勝を追ってプレーする自分はなかったのでまったく優勝の実感はないです。たぶん韓国の母に報告したら涙が出るんじゃないかと思います」と、狐につままれた様な表情で応えた。

 日本ツアーの魅力は?「“食べること”好きな食べ物はうどんとラーメン。日本のラーメンは美味しい。今回はあまり外食してなくて“ローソン”の冷し中華が美味しかった(笑)」とも。今は日本に拠点はなくホテル暮らし。荷物がいっぱいで部屋が狭いのが辛いとか。日本のアニメが大好きで日本語は吹替え版で覚えたという。ちなみに木曜日に行われたプロアマ戦でも優勝“プロアマで優勝すると勝てない”というジンクスを撥ね付けて初優勝をもぎ取った。

18番ホールに上がってくる最終組。テレサ・ルー、穴井詩、小祝さくら、優勝は前組のぺヒギョンで決まっているため笑顔はなく“悲壮感”漂っている感じ?

18番ホールに上がってくる最終組。テレサ・ルー、穴井詩、小祝さくら、優勝は前組のぺヒギョンで決まっているため笑顔はなく“悲壮感”漂っている感じ?

 初日、2日目と単独首位で注目を集めたのがプロ2年目の小祝さくら、新人の初々しさにポーカーフェイスと独特の雰囲気を持つ20歳。昨年のQTランキング9位で今年初めてフル参戦。勝みなみ、新垣比菜と同期の“黄金世代”だ。最終日首位スタートの小祝、前半はボギーが続き首位陥落。一時は3打差4位まで後退。普通この展開ならば後半もズルズルとスコアを落すところだが、この20歳は少し違った。後半13番でやっとのバーディーを取ると15番から4連続バーディー2打差11アンダーまで猛チャージ。最終18番もバーディーで締めくくった。首位ぺヒギョンには届かなかったものの、通算11アンダー2位タイフィニッシュ。前半2ボギーは悔やまれるものの崩れることなく“サンデーバックナイン”での強さを見せつけたのは、ギャラリーに深い印象を残したに違いないだろう。今大会まで“小祝さくら”と言われても誰も知らなかったに違いない。今、女子ツアーでは漢字は違うが初代“藍”に取って代わって“愛”が大ブレイクだ。この先2代目“さくら”になれるか?少し楽しみでもある。

2018年06月20日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。

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