【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント
  4. 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2018

コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2018

日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2018

プロ18年目初優勝の市原弘大。初優勝がメジャーだったが「ビックリ優勝なので感激というわけでもないです」。

プロ18年目初優勝の市原弘大。初優勝がメジャーだったが「ビックリ優勝なので感激というわけでもないです」。

 先日“日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ”へ行ってきた。会場は茨城県にある宍戸ヒルズカントリークラブ西コース。長くゴルフ撮影をやっているが、この大会へ行くのは何と!初めて。毎年会場が変わる日本オープンや日本プロゴルフ選手権と違い、宍戸ヒルズ固定なので名古屋からは中々行く機会は無いが、今回は大会記録フォトグラファーとして声がかかり行ってきた。

 今年の大会は市原弘大の劇的な逆転初優勝で話題を集めたが、残念なことにプロアマトーナメントで問題が発生し、物議を醸している。プロアマトーナメントで片山晋呉とラウンドした招待アマチュアが、片山の態度に激怒して帰ってしまったというのだ。

初日の片山晋呉。前日のプロアマトーナメントで起きた問題が影響か?浮かぬ表情。永久シード選手は何を想う。

初日の片山晋呉。前日のプロアマトーナメントで起きた問題が影響か?浮かぬ表情。永久シード選手は何を想う。

 そもそもプロアマトーナメントとは何ぞや?と言う方もいるかも知れないので少し説明をしよう。
プロアマトーナメントとは本戦の前日水曜日に行われ、プロ1名に招待されたアマチュア3名を1チームとしてチーム戦で争われる試合のことだ。レギュラー、チャレンジ男女問わず、ほぼ全ての試合にもれなく付いてくる。参加するプロは活躍中のトッププロ。招待されるアマチュアはスポンサーの役員が中心で、一部芸能人が招待される試合もある。その目的はプロによる大会スポンサーの接待と言うところだ。その日ばかりはプロ達もホスピタリティーを発揮し、同伴ゲストアマのラインを読んだり、ワンポイントレッスンをしたりとゲストの世話をするのが通例となっている。ただ、前のホールが詰まっていたりすると、少し時間を拝借して練習やグリーンの状態を確認するプロも珍しくない。いや、実状はほとんどのプロはやっている。片山選手に限ったことではないのだ。プロの中にはプロアマトーナメントに出たくない選手もいるようだが、プロアマを欠場すると本戦には出られないので、その場合“練習ラウンド”と割り切って出ている選手もいるだろう。いわばプロアマでのコース確認や練習は特典のようなものなのだ。因みにプロには5万円ほどの日当が支払われている。

 今回問題となっているのは、そのプロアマトーナメントで片山晋呉が同伴のゲストに不適切な態度で接し、ゲストが激怒して帰ってしまったというもの。
 事の始まりは13番からスタートした片山組が13番ホールアウトした後、次の14番が詰まっていて「待ち」があったため片山がグリーンに残り練習をしていた。先に14Teeに上がったゲストが呼んだところ「14番、詰まっているじゃないですか」と言って練習を続けた事に腹を立てたゲストの1人が、たった1ホールを終えただけで怒って帰ってしまったということが発端だ。他にも「ポケットに手を入れたまま話をした」とか、グリーン上でゲストのラインを読むなどゲストの世話をせずに自分の練習を優先したとか…、様々な情報が飛び交っている。私自身は1番Tee固定で撮影していて現場にいたわけではないが…。

突如、押し寄せる子供達にも嫌がることなくサインする宮本勝昌はギャラリーサービス全開。この様な姿勢はスポンサーにもギャラリー対しても必要だ。“プロ”として…。

突如、押し寄せる子供達にも嫌がることなくサインする宮本勝昌はギャラリーサービス全開。この様な姿勢はスポンサーにもギャラリー対しても必要だ。“プロ”として…。

 日本ゴルフツアー機構の規則では「プロアマトーナメントの同伴アマチュアに不快な思いをさせてはならない」となっているらしいが、片山にしてみれば不適切な態度をしたつもりもなく、いつも通りにやっていたのだろう。それも4日間の流れを作るルーティーンだからだ。それなのに「何故か?怒って帰っちゃった」と言った感覚だったにちがいない。過去にその様なことで問題はなかった。いや、表にでなかっただけかもしれないが…。今回“運”悪く少し神経質な方と一緒になってしまった。そのゲストの方も片山とのラウンドをあえて希望して楽しみにしていてたという、その分期待も大きかったに違いない。しかし少しのすれ違いで大事になってしまった。せめて18番までプレーしていれば状況も変わっていたかもしれないのが残念である。

予選落ちして記者に囲まれる石川遼。予選落ちしてこれだけのメディアが集まる選手も珍しい。自らの成績もさることながら、プロアマトーナメントでの問題など、選手会長としての苦悩も多い。

予選落ちして記者に囲まれる石川遼。予選落ちしてこれだけのメディアが集まる選手も珍しい。
自らの成績もさることながら、プロアマトーナメントでの問題など、選手会長としての苦悩も多い。

 この件に対して日本ゴルフツアー機構は事態を重く見てスポンサーと該当ゲストに謝罪。片山選手の処分を検討中という。この記事が掲載される頃には処分が確定していると思われる。なぜこれ程に重く受け止めているのか?一般的に見れば、たかが“プロアマ”である。それは男子プロゴルフの人気低迷に対する危機感があるからだ。日本ゴルフツアー機構では今年から、人気復活を目指してプロアマ戦やファンサービスを重要視する体制を敷いた。国内ツアー復帰した石川遼を選手会長に置き、様々な施策を立て始めた矢先に起きたこの問題を無視することは出来なかったのだろう。それも超トッププロである“永久シード選手”が起こした問題だからだ。
 選手会長の石川遼曰く「プロアマトーナメントではゲストの方に1日ゴルフを楽しんでもらえたらそれでいい」ということだが、やはりその本質は接待と言ってもよいだろう。大切なのは大金を出してくれるスポンサーに対する感謝の姿勢だ。
 男子ツアーではスポンサー離れが顕著で、国内男子ツアーは今季24試合。それに比べ女子は38試合と大きく水をあけられている。スポンサーのメリットはメディアによる社名の露出もあるが、何といっても決め手はプロアマトーナメントで“楽しめるか”だ。プロアマに参加してプロゴルフトーナメントの魅力を理解してもらう。その点は愛想の良い若い女子プロと一緒にラウンドする方が良いに決まっているが、男子は飛距離もあるし、何といっても迫力もちがう。感謝の念を持ってホスピタリティーの精神で対応すれば、男子の人気復活も遠くはないと思うのだが…。とはいっても男子プロも10年前と比べるとずいぶんと変わった。だが、まだまだ何か足りないのだろう。
 片山選手も自ら1人でゲストアマチュアの会社に出向き謝罪した。「自分自身を見つめ直す」ため、暫くの間トーナメントへの出場を控えるという。憧れの永久シード選手であるがゆえに大きくなってしまった今回の件は、片山選手本人が問題をよく理解していると信じたい。

2018年07月12日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。

ぶらっ人お薦めツアー

旅コラム
国内
海外