【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 花紀行
  4. 宮川堤の桜

コラム 花紀行

宮川堤の桜

宮川堤の桜

気象庁の発表によると、
全国26の地点で月平均気温最高を記録するほど暖かかった今年の3月。
桜の開花、満開状況も例年より1~2週間早いそうで、
急いで三重県伊勢市の宮川堤(みやがわつつみ)に行ってまいりました。

伊勢神宮と俗世界の境界でもあった宮川の堤は古くから桜の名所でしたが、
明治に入るまで橋はなく、渡し船が活躍していたそうです。
3カ所あった渡船場のうち、最も渡る人が多かったのは
現在の宮川橋付近にあった、その名も「桜の渡し」。

現在は河川敷一帯が公園となっており、無料駐車場のほか、
子供広場や多目的広場など、のびのびと遊べるようになっています。

もちろん今の季節の主役は、約千本といわれる土手のサクラ。
度会橋を挟んで南北に約1キロ続くサクラ並木は圧巻です。
「日本さくら名所100選」の選定地というのも納得。

↑度会橋から南(上流方向)の景色。

↑度会橋から北(下流方向)の景色。

堤のサクラは上・中・下の三段構えになっています。
のんびり散策しながら立体的な景観が楽しめ、飽きません。
古木が多く、くねくねとした奔放な枝振りや花の付き方も面白い!
案内板によると、ソメイヨシノがメインということですが、
よく見てみると、違う種類のサクラを見つけることができました。

↑ソメイヨシノ。

↑たぶん、オオシマザクラ。

↑たぶん、ミクルマガエシ。
あるいは、コマツオトメかジンダイアケボノ?

↑八重のシダレベニザクラ。

↑たぶん、シダレヒガン。
ほかに、ヤマザクラもありました。

足元では、ヒメオドリコソウ(上の写真)やタンポポ、スミレといった
野の花も彩りを添えています。
ヤブツバキやレンギョウ、ユキヤナギも見ましたよ。

上の道から中段部へ向かう道。
散策路が整備されていて、ベビーカーや小さなお子さん連れでも安心。

河川敷に出る前に、一度上って下ります(階段じゃない道もあります)。
↑上の写真は、偶然撮れた一枚ですが、なんともいい雰囲気のお二人さん。
「お花見デート、いいなあ」と、思わず独り言。

もうすぐ河川敷。
向こうの方に宮川の流れが見えます。

河原はこんな感じ。
とても暖かい日だったので、浅瀬で水遊びしている人もいました。

訪れる人のマナーがいいのでしょう、
ゴミもほとんど落ちておらず、本当に気持ちよくお花見できました。

度会橋から1キロほど北上して、桜の渡し跡へも寄りました。

宮川橋のたもとにも説明板がありましたが、
渡し跡として整備されているのは、橋を渡った西岸側。
宮川親水公園として整備されている河川敷の一角に一対の灯籠が。
上流方向に見える参宮線の鉄橋と伊勢の山並みがいい味を出してます。
================================================
【立ち寄り所1】…「伊勢神宮外宮」
宮川堤公園から東へ約2キロ。
内宮にいらっしゃる天照大神の食物を司る豊受大神をまつっています。
今年10月に遷宮をひかえ、
参道に飲食店がオープンするなど周辺も盛り上がっています。
境内の勾玉(まがたま)池ほとりに昨年できた「せんぐう館」は見応えがあり、
お薦め。〈せんぐう館は大人300円、小・中学生100円、第4火曜定休〉
================================================
【立ち寄り所2】…「郷の恵・風輪」(さとのめぐみ・ふうりん)

宮川堤公園から宮川沿いに南へ約13キロ。
平家の落人伝説が残る横輪町にある農山村交流施設。
今の季節は、町内に約二千本ある大輪の「横輪桜」が美しい。
〈郷の恵・風輪は月・木曜定休、地場産直売、軽食コーナー有り〉
※4/14(日)まで開催中の横輪桜まつり期間中は毎日営業
================================================

取材日:2013年3月30日

DATA

宮川堤公園

三重県伊勢市中島2丁目
TEL: 0596-28-3705(伊勢市観光協会)
4/7(日)まで夜間ライトアップ実施予定

交通アクセス

○公共交通機関
JR・近鉄「伊勢市駅」から松阪駅前、玉城町役場、度会町行きバス約7分「度会橋」下車。
○車
伊勢自動車道・伊勢西ICから県道32号(御木本道路)、県道22号経由、約15分。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。