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コラム 花紀行

森川花はす田のハス

森川花はす田のハス

今年は梅雨入りも早かったけど、明けるのも(平年より2週間近く)早く、
あっという間にもう夏。

「夏」で思い浮かぶ花の一つ、
水辺でダイナミックに咲くハスたちに会いに行って来ました。

午前10時、愛知県愛西市の森川花はす田に到着。
隣接する道の駅や、はす田横の無料駐車場はすでにほぼ満車でした。

実は、開花時期に間近ではす田を見るのは、今回が初めてです。
まず驚いたのは、蓮の葉や花の背の高さ!
大人の背丈より高いところで咲いている花もありました。

品種によって多少違いがあるそうですが、
1輪のハスの花の開花期間は一般に4日間といわれます。

1日目、朝ほころぶ程度で昼には閉じる。
2日目、朝のうちに満開となり、昼には閉じる。
3日目、朝のうちに満開となり、昼に半開まで閉じる。
     受粉して花托(かたく)の柱頭が黒っぽくなり、花びらは退色する。
4日目、夜半に咲き始め、午後の早い時間までに全ての花びらが散ってしまう。

ということで、花としては2日目が一番美しいのだそうです。
※花托とは、花の中央のシャワーヘッドみたいに見えるもののことで、
周囲にある雄しべから受粉すると、複数の実ができます。

↑花托の柱頭が黒っぽくなっているし、外の花びらが落ちそうになっているから
この花は4日目かな。
直径20cmちょっとありそうなので、ハスの花の大きさとしては中型です。

日本蓮学会によると、ハスの花は開いたときの直径が
26cm以上を大型、15~25cmを中型、10~15cmを小型(茶碗型)、
それ以下を碗蓮と分類するようです。

↑太陽の光を受けて、葉っぱものびのび。
大人の顔が4つは入りそうな、大きな葉っぱを見つけました。

しゃがみこんで葉っぱの下をのぞいてみると…

↑緑の日陰に、瑞々しく穏やかな別世界が広がっていました!

カエルがのんびりと水に浮かんでいたり、
林のような茎の間をイトトンボが優雅に飛んでいたり。
上の写真の中央近くに見える小さな赤い固まりは、
スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)の卵です。

↑こちらはちょっとわかりづらいですが、
花の茎が、ぐにゃりぐにゃりと2カ所で曲がっています。

「途中で何があったのかわからないけど、頑張ってるな」
生命力の強さを感じて、なんだかうれしくなってしまいました。

↑西の方角を向いて、ちょっと背伸びして撮影。
養老山脈を背景に、にょきにょきと
たくさんのつぼみが顔をのぞかせています。

立て札のある品種もありました。

↑「早尾紅蓮」は、愛西市早尾町にて生産されている小型の茶碗バスです。
主に関西方面に向けてお盆用に出荷されるそうで、
隣の道の駅でも販売していました。(2~4本入り180~300円)

↑「ミセススローカム」のつぼみ。
アメリカ産のキバナバスと中国産の赤色八重咲き種との交配種。
黄紅系で、花びらが70~100枚にもなる八重咲きです。

↑葉陰に咲いていた「ミセススローカム」の花。
クリーム色にピンクのぼかしが何ともいえずきれいですね。
2日目かな。そろそろ昼に向けて花が閉じかけているようです。

↑たぶん、「ミセススローカム」の3日目だと思います。
だいぶ白っぽくなっています。

↑花びらが散った後の花托。
ぽつぽつと15個ほど見える丸いものが実になります。
早尾紅蓮組合ではこの花托も花材として出荷しているそうです。

1.5ヘクタールある森川花はす田には背の高いハスが多いため、
上からも見渡せるように、ちょっとした展望台が2カ所設けられています。

↑展望台から見ると、こんな感じ。
下から見上げるのとは違って、全体の咲き具合なんかも大体わかります。
真ん中辺りで咲いている八重咲きの紅蓮が鮮やかでした。

ハスは花びらの枚数が一定ではなく、
25枚までを一重、25~50枚を半八重、50枚以上を八重といい、
八重の中には、何千枚という花びらを持つものもあるのだそうです。

森川はす田のほかにも、愛西市内にははす田が点在しています。

↑すぐ近くのはす田に咲いていた八重咲きの紅蓮。

愛西市のハスの見ごろは7月中旬ということですが、
まだまだ小さなつぼみもたくさん付いていたので、
8月上旬ごろまで充分楽しめそうです。

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【情報】

◎「蓮見の会」
■日時:平成25年7月14日(日)午前8~11時、15日(月・祝)午前8~午後2時
■場所:森川花はす田
※野点や特産物の即売、撮影会など
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◎「ハス花ネットスタンプラリー」
■期間:平成25年6月29日(土)~8月4日(日)
■概要:木曽三川公園周辺に点在するハスとスイレンの5カ所の名所でスタンプを集めた人にプレゼント
※先着100名と先着500名のものと、抽選のものあり
■実施施設
○〈愛知県愛西市〉森川花はす田・・・・・・・・・・・・・(花ハス)
○〈   〃  〉船頭平河川公園・・・・・・・・・・・(花ハス)
○〈岐阜県海津市〉木曽三川公園センター・・・・・(スイレン)
○〈   〃  〉アクアワールド水郷・・・・・・・(ハス・オニバス)
○〈岐阜県羽島市〉大賀ハス園・・・・・・・・・・・・・・・(花ハス)
※いずれも入場無料、スタンプ台紙は実施施設に設置、抽選は木曽三川公園センターの水と緑の館・展望タワーにて
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◎「立田赤蓮保存田」
森川花はす田から北へ約3km
江戸時代から愛西市で栽培されてきた「立田赤蓮」ほか、白やピンクなど32種の花ハスを一堂に集めた保存田
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取材日:2013年7月6日

DATA

森川花はす田

愛知県愛西市森川町村仲
TEL: 0567-37-0231(愛西市教育委員会)

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄尾西線「佐屋駅」より約2km。
※月~土曜は佐屋駅南から、本数は少ないが無料の巡回バスが出ている。
(愛西市のホームページなどで要確認)
○車
東名阪自動車道・弥富ICから北西へ約3km。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。