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コラム 花紀行

関市の古刹の大サザンカ

関市の古刹の大サザンカ

冬の足音が聞こえる季節になりました。

この時期に咲く花といって思い浮かべたのは、
童謡「たき火」でおなじみのサザンカ。

垣根などに植えられ、晩秋から冬にかけて
木枯らしの中、生活を彩ってくれる花です。

今回は、サザンカの古木を見に、
岐阜県関市の山間にある正武寺を訪れました。

公共交通機関があるにはあるのですが、
ちょっと不便なので、車で。

県道343号沿いにあるこの小さな看板を見逃さずに。

細い道へ入って少し登り道を走ると、山門が見えました。

脇に、車の通れる道があり、奥に駐車場があります。

まず出迎えてくれたのは、紅白2本のサザンカ。
樹高は3~4メートルぐらいかな。

目的の古木ではありませんが、
美しく咲いていました。

↑右側の白色の花。
外側の花びらにピンク色が混じって
とってもきれい。
背景の黄葉とのコントラストもいいですね。

↑山門からまっすぐ、本堂の右側の道を徒歩で少し登っていくと・・・
「わあ~、おっきい~!」思わず叫んでしまいました。

こんなに伸び伸びと大きく育ったサザンカは初めて見ました。
2本の木の間に立っている女性が何と小さく見えることか。
この方の身長は155センチだそうです。
唖然として見上げていました。

立て札によると、
樹齢約270年、樹高は約11メートル、幹の太さは約1.6メートル。

正武寺は尾張藩附家老・竹腰正武が創建したと伝わり、
2本のサザンカは、その奥様・正子夫人の御廟に植樹されたものだそう。

花に託した奥様への思いが、今も美しく咲いているなんて、
ロマンチックですね。
うらやましい!

↑2本の間に立って、見上げたところ。

右の木がたくさん花を付けて勢いがあるのに対し、
左の木にはワラがまかれ、枝振りにも勢いがありません。

一時弱っていたところ、岐阜県グリーンドクター協議会の
メンバーによって治療が施され、現在再生中とのこと。

右の木より数は少ないですが、
左の木もちゃんと花も咲かせていましたよ。

本堂の左奥には、檀家の墓地と、竹越正武候の墓があり、
それらを守るように、
背の高い白いサザンカが6本ほど立ち並んでいました。

本来、サザンカの原木の花色は白、ヤブツバキは赤だそうで、
江戸時代に品種改良が盛んに行われたといいます。
この墓守のサザンカは原木に近いものなのかもしれません。

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正武寺から県道343号を東に500メートルほど行くと、
左側にまた大きなサザンカの木が見えてきました。

ちょっと路傍に車を停め、あぜ道を歩いて近くまで。

↑長昌寺(無住)のサザンカ。
少し高くなった境内から下の道へ、
垂れ下がるように枝が伸び、
ピンクの花を沢山咲かせていました。

隣のモミジの赤、常緑樹の緑との調和が鮮やかです。

↑境内のお地蔵様にはかわいらしい野の花が供えられていました。
地元の人に大切に守られているようです。

↑下の道から見たサザンカ。
木が植わっている地面より下に枝が伸びているのが
よくわかります。

正武寺のサザンカほど背は高くありませんが、
こちらはこちらで風情があります。

↑赤、緑、ピンク。
木枯らしの季節にあって、このカラフルさ。
心がじんわりと温かくなりました。

↑サザンカのピンク色した花びらの上に
黄緑色のワカバグモがいました。
花の蜜に寄ってくる虫を狙っているようです。

静かな山間の集落にたたずむ古刹に、
人知れず花咲かすサザンカの古木。

かたや愛する人への想いを今に伝え、
かたや地元の人に温かく見守られ、小さな命のよりしろとなっているー。

昔から人は花を愛してきたんだなあ、
そして花は、自然界と人を結んでくれているんだなあ。
そんなことを改めて感じた小旅行でした。 

取材日:2013年11月23日

DATA

正武寺

岐阜県関市志津野665-2
TEL:0575-29-0951

交通アクセス

○公共交通機関
長良川鉄道・関市役所前駅下車、関市役所から関デマンドバスに約20分乗り「小坂」下車、徒歩約10分。
※関デマンドバスは1日4往復、事前予約が必要(TEL:0800-10-00028=株式会社ドライビングサービス)
○車
東海北陸自動車道美濃ICから東へ約10分、または東海環状自動車道富加関ICから西へ約5分。

※長昌寺へは、正武寺より東へ約500m。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。

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