名古屋地方気象台の調査データによると、
スイセンの開花日の平年値は1月1日だそうです。
昨年は大幅に開花が遅れ、2月22日でしたが、
今シーズンは2カ月近く早い12月28日。
気象状況に振り回されて花たちも大変だなあと思いながら、
今年のスイセンを確認しに、名古屋市中村区の横井山緑地へ出かけてきました。
↑中村区の西南端、庄内川の東岸に広がる横井山緑地。
↑園内に足を踏み入れると、早速スイセンたちがお出迎え。
「おっ、結構きれいに咲いてるな~」と思いながら、パシャリ、パシャリ。
風に乗って、さわやかな香りがふわっと鼻をかすめます。
スイセンに顔を近づけて一輪一輪を鑑賞していると、
普通のニホンズイセンに交じって、
八重咲きが固まって咲いているエリアを発見!
↑「うわー、八重咲き!?」
八重咲きスイセンを実際に目にするのは初めてだったので、
思いがけない邂逅に、一人どぎまぎしてしまいました。
↑一重と八重っぽい花が同じ茎から出ている株にも遭遇(右前の4輪)。
この株から出ている花たちは、心なしか黄色い副花冠が波打って見えます。
品種的にどうなのか分かりませんが、
1株の中で一重から八重への変遷を表現しているようで、面白いですね。
園内には、遊具広場や区民の森の周囲をぐるりと回れるよう、
約650mの健康散策路が整備されています。
スイセンが楽しめるのは、入り口周辺から、左回りに100~200m辺りまで。
↑この辺りの株はまだ小さく、つぼみも出ていません。
↑公園最北のこの辺りは、庄内川堤防のすぐ下。
びゅうびゅうと吹き下ろす北西の風が、スイセンたちをなぎ倒していました。
無残な光景に、「かわいそう」という気持ちがわき上がります。
風よけがあればなあと、思わずにはいられませんでした。
まるで、バイカモ(梅花藻)のようにも見えます。
↑倒れてもなお美しいスイセン。
冬の寒さ、強い風にもくじけない不屈の美しさに感動を覚えました。
↑目を凝らしながら歩いていると、可憐な黄色いスイセンを発見。
グランドソレドール(黄房水仙)という品種だと思われます。
葉の丈は低く花も小ぶりですが、光を放っているような存在感がありました。
↑サザンカやクスノキ、ユズリハ、サクラなど、
エリアごとにテーマのある木々に導かれて、散策路を歩いていきます。
↑分散して風に耐えているスイセン。
このたたずまいも、趣がありますね。
↑ひざ丈の高さのクサボケ。
つぼみをたくさん付け、薄紅の花が咲きかけていました。
↑真っ黒でつやつやの、ヤブランの実。
園内のあちこちで見ることができます。
↑落ち葉に覆われた遊具広場。
寒風吹きすさぶ中、子供たちが元気に走り回っていました。
↑遊具広場から東に伸びる小径には、早咲きスイセンの一種、
ペーパーホワイトが並んでいました。
↑すらりと背が高く、花の中央の副花冠が白いペーパーホワイト。
清々しいほどの白い花びらが印象的です。
残念ながらほとんど終わりかけで、咲いている花はあまり残っていませんでした。
↑ペーパーホワイトの小径の奥は、ツバキの森。
きれいに咲いている花もありましたが、
霜か雪のせいなのでしょう、上面が枯れ溶けてしまっている花も。
ニホンズイセンが最もきれいに咲きそろっていたのは入り口周辺でしたが、
のんびり時間をかけて観察しながら歩いていると、
ひっそりと黄房水仙が咲いていたり、ペーパーホワイトを見つけたりと、
いろいろな発見があって、大変面白く歩けました。
名古屋市のホームページによると、横井山緑地のスイセンは約6万球。
まだまだつぼみさえ出ていない株も多く、
全体の見ごろとしては、これから3月にかけてといったところでしょうか。
多くの木の葉や草が枯れ色となっている風景の中、
青々と生え伸びる葉、寒風に耐えて咲くスイセンに、
力強い春の息吹を感じたひとときでした。
取材日:2014年2月13日
横井山緑地
名古屋市中村区横井1丁目
交通アクセス
○公共交通機関
近鉄「伏屋」駅から北東へ約1.5km
または市バス「横井町」(名駅22系統、名駅23系統、中村11系統)下車すぐ
○車
名古屋高速5号万場線・千音寺ICから南東へ約3km。
※駐車場はありません。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。