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コラム 花紀行

名古屋市農業センターのシダレウメ

名古屋市農業センターのシダレウメ

シダレウメの品種と本数の多さで有名な名古屋市農業センター。
「しだれ梅園」がそろそろ見ごろと聞いて、出かけてきました。

農業センターの正面入り口には「七分咲き」という看板が出ていました。
期待に胸が高鳴ります。

↑梅園入り口。
シダレウメが植栽されている地面は、
大人のひざ丈ほどの高さに盛り土がしてあり、
垂れ下がる枝が鑑賞しやすくなっていました。

↑「しだれ梅園」に足を踏み入れると、まさに見ごろ。
左から右から、まるでお花のシャワーを浴びているような感覚に。

平成5年(1993)、農業センター内に整備された同園には、
全12品種、約700本のしだれ梅が植栽されているそうです。

入り口近くに、写真付きで品種一覧の看板が出ていました。
見ていて、品種がわかったものを以下に紹介します。

↑「呉服枝垂」(クレハシダレ)
園内に300本以上ある、同園の主要品種だそうです。
遠くから眺めると「しだれ梅園」全体がピンク色に見えるのは、
この品種のせいなのでしょう。
優しいピンク色の中輪で、八重咲き。

↑「緑萼枝垂」(リョクガクシダレ)
呉服枝垂に並ぶ白系の主要品種で、園内に300本弱あるそうです。
薄緑色のガクと、鮮やかな緑色の枝、白い花びらの色が組み合わさり、
全体的に薄黄緑色に見えます。
中輪の八重咲きで、花付きも良いです。

↑「満月枝垂」(マンゲツシダレ)
咲き始めのころに、花びらが重なって満月のように丸く見えることから
付けられた品種名だそうです。
中輪の一重咲きで、園内には15本ほどあるようです。

↑「白滝枝垂」(シラタキシダレ)
園内にはわずか3本しかないそうですが、
一番早く咲きはじめ、花もちも良いのだそう。
中輪で、花びらが多い八重咲き。

↑「紅枝垂」(ベニシダレ)
咲き始めは深い紅色をしていますが、
咲き進むと、花びらの裏側が白っぽくなるそうです。
細い枝がたくさん出るため、繊細で優美な枝垂れ方になっています。
中輪、八重咲き。約20本。

↑「緋の司枝垂」(ヒノツカサシダレ)
鮮やかな緋色の花びらに、白く長い雄しべが目立ちます。
中輪、八重咲き。15本ほど。

↑「千鳥枝垂」(チドリシダレ)
すっきりと華奢な印象の花。
中輪、一重咲き。数本。

↑「唐梅枝垂」(トウバイシダレ)
中心にいくほど花びらが濃くなっているように見える可憐な花です。
中輪、八重咲き。数本。

↑すぐ上の写真と同じ品種(唐梅枝垂)ですが、
日の当たり方で、ずいぶん印象が変わって見えますね。

↑「藤牡丹枝垂」(フジボタンシダレ)
大振りで薄桃色の花が、優しくてふくよかな印象を受けます。
大輪、八重咲き。

ほかにも、玉垣枝垂(タマガキシダレ)や難波枝垂(ナニワシダレ)、
一重緑萼枝垂(ヒトエリョクガクシダレ)があるそうですが、
ちょっとわかりませんでした。不覚。

↑桃色、紅色、白色。本当にきれいです。

↑北門近くにある芝生広場。
お天気も良かったので、お弁当を広げている家族連れもちらほら。

ほかにもロータリーや噴水広場では、
キッチンカーや産直の店が出て、にぎわっていました。

↑展示温室では、咲きかけのベゴニアを見つけました。
上下に貝殻が開くように花開くんですね。
まるで「ビーナス誕生」を見ているかのようです。

農業センターでは、約1000種のベゴニアを栽培していますが、
燃料費の節減と暖房施設の老朽化のため、暖房を制限しているそうで、
球根ベゴニアの展示は、今あるもので最後だと貼り紙がしてありました。
残念です。

↑コブシのつぼみ。
ずいぶんふくらんで、産毛が陽光にきらめいていました。
もう準備万端かな。

↑農業センターの南端には牧場が広がっています。
ゆっくり動く牛さんや羊さんをのんびり眺めていると、
思わず頬が緩みます。

↑そんな牛さんたちのお乳を使って、センター内の工房で作られたジェラート。
牧場ミルク味(シングルコーン280円)を食べましたが、
さっぱりとしているのに、クリームチーズのような濃厚さもあって、
とっても美味しかったです。
ほかにも、抹茶やブドウ、サクラなど、いろんなフレーバーがありました。

700本のしだれ梅たちはさすがの迫力でした。

自分を含め、カメラ愛好家たちは半ば興奮状態でシャッター切りまくり。
ちょっと慌ただしさを感じるほどでしたが、
牛さんたちに癒され、ジェラートでクールダウンできました。

取材日:2014年3月8日

DATA

名古屋市農業センター

名古屋市天白区天白町平針黒石2872番地の3

○しだれ梅まつり
 平成26年2月25日(火)~3月23日(日)
 期間中無休、開園時間は午前9時~午後4時半、入場無料

交通アクセス

○公共交通機関
地下鉄鶴舞線「平針」駅から市バス「地下鉄原」行きに乗り、「農業センター北」下車、徒歩5分(平針駅から歩くと約20分)
○車
名二環・植田ICから南東へ約4km。
※駐車場有り。但し、しだれ梅まつり期間中は、普通車500円、原付・自動二輪は150円。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。