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コラム 花紀行

瀬戸市の「瀬戸赤津・凧山つばきの森」

瀬戸市の「瀬戸赤津・凧山つばきの森」

百花咲き乱れる春。
サクラなどと比べると若干地味ですが、
古くから日本の春を彩ってきたツバキも見ごろを迎えています。
(万葉集では、春の美しさを表す歌にツバキが登場しています)

今回訪れたのは、
陶磁器の窯元が点在することでも知られる赤津エリアに、
平成24年3月開園した「瀬戸赤津・凧山(たこやま)つばきの森」。

管理している「瀬戸椿の会」によると、
山の斜面を整備した敷地は、約5000坪(1万6500平方メートル)。
昔から自生していたヤブツバキ約100本、個人の記念植樹約100本、
ほかには寄贈されたもの、購入したものなど、
合わせて約500種、2000本のツバキがあるそうです。

↑つばきの森の入り口。
 県道33号沿いを流れる赤津川を渡ります。
 「つばきの森」と書いた黄色いのぼりが目印です。

↑少し入ったところに鎮座している陶製狛犬。
無邪気な表情とつぶらな瞳がかわいらしい。
作者は、すぐ近くに窯を構える陶芸家の前川電光さん。
瀬戸椿の会の会員でもいらっしゃるそうです。

余談ですが…。
瀬戸市内に多く自生するツバキは、市の花に制定されています。
古くはやきものの「灰釉」(かいゆう)としても使われていたと推測され、
瀬戸の窯業とも関係が深いとされているそうです。

↑「四海波」(シカイナミ)
同じ木に、ピンクの絞りが入った白い花、赤い花を咲き分けています。
カラフルで華やかな大輪です。

↑「磨墨」(スルスミ)
源頼朝が梶原景季に与えた名馬が、品種名の由来だそうです。
りんとした力強さが漂います。

↑「花富貴」(ハナフウキ)
八重の抱え咲き。
丸っこくて、ころんとした形がかわいらしい。
育ちの良いお嬢様みたいですね。

↑「沖の石」(オキノイシ)
赤地に雲状斑(うんじょうふ)が入った花びらがきれい。
まるで、ろうけつ染めの布地のようです。

↑これは名札が無かったので推測ですが、
多分「通い鳥」(カヨイドリ)。
桃色の花びらに、ほんの少し赤い縦絞りが入っています。
おしゃれですね。

↑こちらも推測ですが、
恐らく「中部花車」(チュウブハナグルマ)。
白地に縦絞りの入った一重の花に、
梅芯状の雄しべがたっぷり詰まっています。

↑「紅卜半」(ベニボクハン)
別名・紅唐子(ベニカラコ)、日光(ジッコウ)。
雄しべが小さな花弁のようになって、
中央に向かってぎゅっと集まっています。

↑「白芯卜半」(シロシンボクハン)
別名・月光(ガッコウ)。
紅卜半の芯の部分が白いバージョン。

↑紺侘助(コンワビスケ)
深紅の小輪の花。
侘助の仲間は「猪口(ちょく)咲き」と呼ばれ、
花びらが全開にならない、奥ゆかしい咲き方のものが多いのが特徴です。
散ってなお、絵になりますね。

↑「胡蝶絞侘助」(コチョウシボリワビスケ)
こちらはもう極小輪といっていいでしょう。
まさしくチョウほどの大きさの花です。

↑園内は椿の会会員の手できれいに整備され、
瀬戸らしくやきもののオブジェやベンチもあって
のんびりくつろげます。

園内にはメダカやアメンボが泳ぐ湧水があり、
「中京つばき」と呼ばれる銘椿約80本を集めたコーナー、
記念植樹コーナー(個人)など見どころはたくさん。

↑園内のイラストマップ。
ぐるーっと歩けるようになっていますが、
散策路には斜面や階段もありますので、
運動靴での訪問をお薦めします。

山を整備したときに伐採した木をチップ状にして
斜面に敷き詰めてあるそうで、地面は歩きやすくなっていますが、
中にはイノシシに掘り起こされているところもあったりします。
くれぐれも、足元にはご注意下さい。

↑まちなかではお目にかかれない、ショウジョウバカマの自生。
生える場所によって、ピンクや青紫の花を咲かせていました。

↑つばきの森の向かいにある雲興寺。
約600年前に開かれた禅寺で、盗難除けの守護で知られているそうですが、
ここの境内のツバキも見事でしたので、寄り道しちゃいました。

↑門前に落ちていた大きなツバキの花。
大人の手のひらと同じぐらいの大きさ、極大輪です。
(先ほどの胡蝶絞侘助の4倍以上ありそうです)

↑雲興寺の境内は、東海自然歩道のルートになっています。

↑境内の椿。
100品種300本ほどあるそうです。
ご住職はあまり手をかけていないとおっしゃっていましたが、
土質がツバキの生育に合っているようで、
どの木も花が大きく、見応えがあります。

歴史を感じるどっしりとした境内には、
赤津瓦が施された美しい本殿や鐘楼、陶磁之塔、
盗難鎮護の性空石(しょうくうせき)などがあり、大変興味深いお寺でした。

由緒書きによれば、毎年4月24、25日は大祭を営み、
全国に30余りある末寺が参集して大変にぎわうそうです。

↑電光陶苑。
雲興寺のすぐ西側にある、前川電光さんの工房。
陶器片でできた高さ3.4メートルの大きな狛犬が目印です。
見学無料だそうですので、
つばきの森の狛犬さんに心魅かれた方は、訪ねてみては。
ユニークで温かみのあるやきものたちに出逢えますよ。

取材日:2014年4月5日

DATA

瀬戸赤津・凧山つばきの森

愛知県瀬戸市凧山町187

○第2回椿まつり
 平成26年4月19日(土)~4月27日(日)
 椿のグッズや苗木、陶芸品の即売会ほか、スタンプラリー(土日)など。
 入場無料。

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄瀬戸線「尾張瀬戸」駅から名鉄バス「赤津」行きに乗り終点下車、東へ徒歩約10分
○車
東海環状自動車道・せと赤津ICから北東へ4km弱。
※ 「つばきの森専用駐車場」(15台)有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。

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