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コラム 花紀行

立田赤蓮保存田(たつ・た・あか・はす・ほ・ぞん・でん)

立田赤蓮保存田(たつ・た・あか・はす・ほ・ぞん・でん)

昨年に引き続き、愛知県愛西市へ
ハスの花たちに会いに出かけてきました。

昨年は、道の駅「立田ふれあいの里」に隣接する
「森川花はす田」を訪れましたが、
今年は、その3kmほど北にある「赤蓮保存田」へ。

江戸時代から愛西市で栽培されてきた「立田赤蓮」をはじめとした
32種の花ハスを一堂に集めた保存&観賞用のハス田です。

のどかな田園地帯を車で走っていると、
あちらこちらにこぢんまりとしたハス田が見られます。

ひときわ大きなハス田が「立田赤蓮保存田」です。
ハスの品種を説明する看板も立っています。

看板の前に少しスペースがあり、駐車できるようになっています。
見物客は、それほど多くありません。

↑まずはこの看板でお勉強。
赤いハスだけでなく、白いハスも結構あるようです。

↑「皇居和蓮」
 看板には、英語表記で「Japanese lotus」とありました。
 気品ある清楚な薄紅が涼しげです。

↑たおやかな白いハス。
「西湖蓮」という札のところに咲いていましたが、
看板では西湖蓮は八重咲きだそうなので、
違いますね。

多分「清月蓮」だと思われます。

↑白いハスの花びらの先にイトトンボがとまっていました。
色合いからして、ベニイトトンボのメスっぽいです。

↑「大賀ハス」
千葉県内にある約2000年前の地層から発掘されたという古代種です。
鮮やかなピンクに、目が覚めるようです。

↑「紅陽蓮」
白っぽい花びらが、先にいくほどほんのりピンクに色づいて、
初々しいですね。

↑「黄陽蓮」
黄色い「バージニア蓮」と、中国古代蓮の交配種だそうです。
つぼみばかりで、咲いている花は見当たりませんでした。
遅咲き品種なのかもしれません。

逆に、早咲き品種で知られる「ミセススローカム」は
もうすべて花が終わったようで、種ばかりでした。

↑「蜀紅蓮」
1日目の花が閉じかけているところかな。
雄しべの先端に付いているヤクがまだ開いておらず、エノキダケのようです。
全体的に丸っこくてかわいらしいですね。

↑葉陰に咲いていた「姫蓮」の花。
一般的なハスより一回り小さな花です。

そういえば、写真を撮りに来ていた年輩の男性が
「台風の影響で、花も葉っぱも結構やられちゃってるね」と
おっしゃっていました。
本来、ここのハスはもっと美しいのだと。

↑確かに。
中には、かなりダメージを受けている葉っぱも。

それでも、ぐんぐんと伸びている葉っぱあり、
傷みながらも咲いている花あり。

↑ぐにゅーっと、クキが曲がってしまっているのに、
健気に咲く白いハス。

↑水面に浮かんだ葉っぱの上には、立派なトノサマガエル。
久しぶりに見ました。

ほかに、アマガエルもあちこちにたくさん。

昨年訪れた「森川花はす田」と比べると、かなりカエルが多い印象です。
先日の大雨は、カエルたちにとって恵みの雨だったのでしょう。

↑「立田赤蓮発祥の地」の碑。
赤蓮保存田から2キロほど北の陽南寺の脇にあります。

19世紀前半、漢方医を兼ねていた当寺の住職が栽培を始めたのが、
愛西市のレンコン(赤蓮)栽培の始まりなのだそうです。

赤蓮保存田の周辺には、大小様々なハス田があり、
膝や腰ほどの高さの品種のもので、赤系の八重咲きが多いようでした。

夏の気配をはらんだ風に吹かれながら、
のんびりハス田を歩いていたら、幼い頃の夏の空を思い出しました。

取材日:2014年7月12日

DATA

立田赤蓮保存田

愛知県愛西市小茂井町保古原
TEL:0567-37-0231(愛西市教育委員会)

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄尾西線「佐屋駅」または「日比野駅」より約4km。
※月~土曜は、佐屋駅南または日比野駅東から立田庁舎まで、本数は少ないが無料の巡回バスが出ている。
立田庁舎から赤蓮保存田は、徒歩10分弱。
(愛西市のホームページなどで要確認)
○車
東名阪自動車道・弥富ICから北西へ約7.5km。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。