【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 花紀行
  4. 愛知県豊田市竹町の田園地帯のハス

コラム 花紀行

愛知県豊田市竹町の田園地帯のハス

愛知県豊田市竹町の田園地帯のハス

梅雨まっただ中ですが…、
早咲きのハスを訪ねて、
豊田市へ行って来ました。

場所は、名鉄三河線「竹村駅」の西側に広がる田園地帯。

↑緑の田んぼの一角に、こつ然と姿を現すハス田。

休耕田の活用と周辺の自然環境改善のために、
近くに住む方が2000年から植え始めたそうで、
今では、初夏に多くの人が見物に訪れる
花の名所になっています。

近づいてみると…。

↑早咲きとは聞いていましたが、
 すでに花托のみになってしまっているものも多く、
 盛りは過ぎてしまっている感じです。

が、まだまだつぼみも多く、十分楽しめます。

しばらくすると、
「カンカンカン…」という音が聞こえてきて、
写真愛好家の心を鷲づかみにする光景が。

↑ハス田と、名鉄の赤電車の競演!

ついつい
「♪緑~の中を~走り抜けてく真っ赤な電車」と、
口ずさんでしまいました。
(古い?)

2両編成というのが、素朴でいい味出していますよね。

↑こちらは、
 ハス田と田んぼの向こう側にある名鉄「竹村駅」に
 赤電車が停まっているところなんですが、
 (画像上部、中心から少し右寄り辺り)
 わかりますでしょうか。

ここのハスたちは、
品種でいえば、ほぼ全て「ミセススローカム」のようです。

↑桃をかたどった「ぼんぼり」のようなハス。
 ほんのり上気したようなピンクのグラデーションが
 とってもかわいらしいです。

2013年7月の「花紀行」(愛西市の「森川花はす田」)で、
ハスの花が4日かけて咲くことについて書きましたが、
お昼近くでこの状態でしたので、
2日目の花だと思われます。

↑咲きかけの花と、満開の花の大きさを、
 大人の女性の手と比べてみました。

花の大きさの感覚が分かっていただけると思います。

↑横から見たハスの花。

左は3日目、右は4日目だと思われます。

花びらの開き方は似た感じですが、
左は花托の中にあるメシベがまだ黄色で、オシベが立ち上がっているのに対して、
右はメシベが黒っぽくなって、オシベが全て下がってしまっています。

↑せっせと花粉を集めていたミツバチ。
 ハスは自家受粉ができないため、
 ハチたちが受粉を担います。

また、ミセススローカムは、大型の八重咲き種で、
オシベが花弁化することでも知られています。

内側の花びらをよく見ると、
うねうねと縮れた、細っこい花びらがあるのですが、
これが、オシベが花弁化したものです。

↑水面に目を移すと、
 ザリガニがお食事中。

散ったハスの花びらや葉っぱを
夢中になって食べていました。

↑これは、アジアイトトンボの若いメスかな。
 3センチぐらいの大きさ。
 はかなげで、きれいな色です。

↑あぜ道には、カエルちゃんも。
 アマガエルが変色した個体なのでしょうか。

クローバーの葉っぱの上にちょこんと座った様子が
とってもかわいらしかったです。

背中にイボイボがあったので、
違う種類のカエルなのかもしれません。

↑これは、ヒメジョオンでしょう。
 すっきりとした白い花びらと
 緑の葉っぱのコントラストが清々しいですね。

数年前からずっと気になっていた場所だったので、
今回行けて本当に良かったです。

のどかな田園風景の中の
赤い電車とハス田のコンビネーションも、
想像していたよりステキでした。

また取材日は、
朝方に雨が上がり、昼頃まではくもり時々晴れというお天気でしたが、
雨に濡れた状態も良く、日が照っても美しい、
ハスは本当に天気を選ばない花だなあと
実感しました。

取材日:2016年6月25日

DATA

愛知県豊田市竹町の田園地帯

愛知県豊田市竹町下沖

交通アクセス

○公共交通機関
 名鉄三河線「竹村」駅下車。

○車
 東名高速・豊田ICから国道155号(豊田南バイパス)経由、南へ約5キロ。
 ◎駐車場なし。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。