そろそろ、郷愁を誘う秋の花たちの出番です。
今年は、
一面のヒガンバナを見たくて
愛知県半田市の矢勝川堤へ。
↑新美南吉記念館前の県道265号を渡ると、矢勝川堤へは歩いてすぐ。
矢勝川周辺は、
童話「ごんぎつね」で知られる作家・新美南吉ゆかりの場所で、
毎秋、ヒガンバナの季節に「秋まつり」が催されています。
平成2年、
「ごんぎつねの世界を再現しよう」と始まったヒガンバナの植栽は、
今も町の人々によって続けられており、
川の堤沿い約1.5キロにわたり300万本のヒガンバナが咲き誇ります。
↑入り口付近にあった散策マップ。
ヒガンバナが見られる範囲は、
西は弘法橋から、東は殿橋(岩滑=やなべ=西橋)付近まで。
あいにくの雨降りでしたが、
せっかくなので、川のこちら側から向こう岸を
ぐるっと1周することにしました。
1.5キロ×2で、ざっと約3キロの道のりです。
↑ハンノキが植わっている田んぼの
あぜ道に咲くヒガンバナ。
風情がありますね。
↑花びらや雄しべから滴る雨粒が光って、
まるでシャンデリアのようです。
↑西端の弘法橋から東を眺めたところ。
写真では少しわかりにくいかもしれませんが、
真っ赤な点描がずーっと続いています。
↑中には、赤だけでなく、白いヒガンバナも。
ヒガンバナは、
小さな花が放射状に集まって1株を形成していますが、
よく見ると、付いている花の数がまちまちなのも
面白いところです。
↑これは、今回見つけた中で最少の3つ。
ちょっとさみしい感じで、
これだけを見て「ヒガンバナ」といわれても
ピンと来ないかもしれません。
↑これは、最多の9つ。
まだつぼみですが、咲いたらきっと豪華な花になるでしょう。
↑これは、8つ集まっている花が咲いた状態。
いかにもヒガンバという感じですね。
全体をざっと見た感じでは、
6~7個の花が多いように感じました。
歩いているうちに雨が上がり、
川の向こう岸に、なにやら人だかりが。
↑花嫁行列です。
巫女さんの先達に、
人力車に乗った白無垢の花嫁さん、
花嫁さんに付き添って歩く紋付きはかま姿の花婿さん。
その後ろには、親戚の方々が続いています。
この日(9/24)のみのイベントとのことですが、
真っ赤なヒガンバナに、白無垢の白、紋付きの黒が映えて、
とってもすてきでした。
全体を見渡した感じでは、
もうかなり満開に近い状態のように感じましたが、
スタッフの方のお話では、咲き具合はまだ4割ぐらいとのこと。
「こんなに咲いてるのに?」と思いましたが・・・。
↑これを見て納得。
つぼみや、まだ伸びきっていない株もたくさんありました。
まあ、300万本ですからね。
↑ようやく、東の端の「殿橋」(岩滑西橋)に到着。
ここで折り返して、南吉記念館の方へ戻ります。
↑殿橋のすぐ近くには、
南吉の童話にちなんだ「ででむし広場」があります。
↑南吉の生家や、
ゆかりの寺、神社への道しるべも。
時間に余裕があれば、
南吉のゆかりの地を散策するのも楽しそうです。
川の周りは田園地帯になっていて、
こんなかわいらしい田んぼアートも。
↑「やなべ2016」という文字と、キツネのイラスト。
訪れる人を歓迎してくれている気持ちが伝わってきます。
↑もう夕方ですが、空が明るくなってきました。
やはり、明るい空の下の方が、お花はきれいです。
↑奇跡的に、お日様が顔を見せてくれた瞬間。
角度のあるオレンジの光に照らされて、
ヒガンバナたちがキラキラと輝きを放ち始めました。
それは、まるで物語の世界のような、幻想的な風景。
しばらく、息をするのも忘れて、立ち尽くしてしまいました。
↑雲間に沈みゆく夕日。
ほどなく、辺りは夕闇の世界へ。
実際に日が当たっていたのは、
ほんのわずかな時間でしたが、
粘ってよかったです。
「ヒガンバナは夕日に照らされた姿がきれい」と聞いていましたが、
本当だなと実感した日でした。
取材日:2016年9月24日
矢勝川堤
愛知県半田市岩滑(やなべ)西町の矢勝川堤
問い合わせ先:0569-32-3264(半田市観光協会)
※2016年9月17日(土)~10月2日(日)は一帯で「ごんの秋まつり」開催
※新美南吉記念館は9:30~17:30開館、入館料大人210円(中学生以下無料)
※新美南吉の生家は9:00~17:00開館、見学無料
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄河和線・半田口駅から殿橋までは徒歩約10分、新美南吉記念館までは徒歩約25分。
○車
知多半島道路・半田中央ICから県道265号を東へ約1キロ。
◎新美南吉記念館に無料駐車場あり。
但し、「ごんの秋まつり」期間中の土日祝日は駐車不可のため、
半田市役所近くのアイプラザ半田にある臨時無料駐車場を利用。
(アイプラザ半田から新美南吉記念館を結ぶ無料バスあり/期間中の土日祝日のみ運行)
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。