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コラム 花紀行

愛知県稲沢市「萬徳寺」のボタン

愛知県稲沢市「萬徳寺」のボタン

春本番を迎え、
道ばたや公園で次々と花が咲いていく様子に
心が浮き立つ季節となりました。

「この季節はボタンだ」と急に思い立ち、
「ボタン寺」の異名を持つ「萬徳寺」を訪ねました。

愛知県稲沢市にある萬徳寺は、
奈良時代(神護慶雲2年=西暦768年)、
勅願により創建されたと伝わる古刹です。

↑萬徳寺の山門。

↑境内に入ると、
 正面には立派な本堂があります。

そのまま左を向くと…。

↑ボタン園~。
 赤やピンクのボタンがたくさん咲いています!

次に、右を向くと…。

↑こちらも本当はボタン園なのですが、
 まだ咲いている花はほとんどありませんでした。

お寺のご住職にうかがうと、
境内にボタンは約700株あり、
例年、先に咲き始めた左側のボタン園の花が散るころ、
右側のボタン園が見ごろになるそうです。

今年は
全体の開花が例年より1週間ほど遅く、
右側のボタン園はゴールデンウィークが終わるころまで
楽しんでいただけるのでは、とのことでした。

↑右側のボタン園のところで咲いていたシダレザクラ。
 可憐な風情に、しばし心を奪われました。

気を取り直して、
左側のボタン園へ足を向けます。

↑奥に写っている建物は、
 国の重要文化財に指定されている
 多宝塔(正面)と、鎮守堂(右隅)で、
 ともに室町時代のものだそうです。

桧皮葺(ひわだぶき)の屋根が渋くていい感じです。
文化財を背景にボタンを鑑賞できるなんて、ぜいたくですね。

萬徳寺には、
ほかにも文化財が数多く残されており、
奈良の国立博物館に預けてある重要文化財もあるそうですよ。

では、主役の花たちを近くでよく見てみましょう。

↑真っ赤な花。
 陽光に照らされて、花びらがつややかに輝いています。
 「花の王」といわれるのも納得ですね。

↑赤紫色の花。
 花びらがぎゅっとたくさん詰まっているから、
 「八重」よりも数が多い「千重」かな。
 「盛り上げ咲き」か、あるいは「獅子咲き」か。

ボタンにも、花の形や花びらの数によって
咲き方に様々な区別があるようですが、
判別は、なかなか難しいです。

↑赤にピンクの絞り入り。
 ボタンにも、「絞り入り」があるんですね。
 とってもキュートです。
 これは「半抱え咲き」かな。

↑こちらは、赤に白の斑入り。
 赤色の面積が大きいと、強い印象になりますね。
 「半抱え咲き」か、「平咲き」のどちらかと思われます。

↑ピンク色の花。
 花びらがふわふわと波打って、フリルのように見えます。
 個人的にイメージする「牡丹」に一番近いタイプです。

↑今回、唯一見られた白色の花。

ご住職のお話では、
萬徳寺の牡丹は、
花の色によって赤系から白、黄色の順に咲き、
これから白や黄色の花が見ごろを迎えていくそうです。

満開状態の花は結構大きくて、
いずれも大輪(直径18~25cm)に区分されるのでは
と思えるほどです。

↑大人の手のひら(タテ約17cm)と比べると、こんな感じ。
 幼児の頭ぐらいの大きさはありそうです。

つぼみもたくさん見ることができました。

↑オシベが先に顔を出すものや、
 先に花びらが大きく育つものがあるようで、
 よく見てみると、つぼみも面白いです。

これがあの大輪の花になるのかと思うと、
開花までの様子をつぶさに観察してみたい気持ちに駆られます。

↑多宝塔を背景に、パチリ。
 フォトジェニックですね~。
 いい雰囲気です。

境内をよく見渡すと、
ほかにも春を謳歌する花たちが…。

↑マツの雄花。
 色合いが春らしくて、思わず撮ってしまいました。

↑モミジ。
 よ~く見ていないと気づきませんが、
 小さくて、とってもかわいらしい花です。

↑ツツジ。
 こちらも、若葉の新緑と花の朱色のコントラストが
 ステキですね。

萬徳寺は創建以来、
幾度も風水害や火災によって荒廃と再建を繰り返しており、
平安時代には、弘法大師空海によって真言の道場として再興されています。

ボタンは、空海と縁の深い花で、
空海が唐(中国)に留学した際、ボタンの植えてある寺に滞在し、
日本に持ち帰ったと伝えられています。

萬徳寺のボタンは、
このご縁にならって、18年ほど前から植え始められたのだそうです。

ほかにも、
「東海三十六不動尊霊場」の第4番札所になっていたり、
「尾張観世音霊場開創」の石碑、
「四国八十八カ所」の札所の石碑があるなど、
見どころはたくさんあります。

由緒ある古刹の歴史を感じながらも、
美しいボタンに心が満たされ、
「楽しい」と感じたお寺でした。

取材日:2017年4月22日

DATA

萬徳寺

愛知県稲沢市長野3-2-57
TEL:0587-32-0068(萬徳寺)
拝観無料

交通アクセス

○公共交通機関
JR東海道本線「稲沢」駅下車、北西へ約600m(徒歩約10分)
※稲沢駅西口からコミュニティバス(1日5往復、1乗車200円)もあり
 (降りる停留所は萬徳寺から約100m南にある「長野」)
○車
名古屋高速16号一宮線・西春ICから西へ、県道161号経由で5km弱
※駐車場あり(境内に約20台)

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。

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