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ドイツ屈指の温泉保養地 バーデン=バーデン

ドイツ屈指の温泉保養地 バーデン=バーデン

 バーデン・バーデンという言葉を最初に聞いたのは20代初め頃、栄の居酒屋の名前だったが、実はドイツの有名な温泉地からとっていると知ったのは、温泉に興味を持ち始めた10年ほど前である。温泉の質は日本が一番優れていると信じて止まない私ではあるが、今年初めに台湾の温泉に行ってから、温泉文化や習慣を知るのが興味深く、海外旅行先でも温泉地をとりあえず求めてみるようになった。そして今年の夏、遅めの夏休みをとって欧州を旅した際に、前々から噂には聞いていた欧州でも代表とされる温泉保養地、バーデン=バーデンについに足を踏み入れる機会がめぐってきた。

 バーデン=バーデンは、シュヴァルツヴァルドと呼ばれる「黒い森」の中にある。フランクフルトから電車で約1時間半。欧州の温泉地は古代ローマ時代より庶民に親しまれるほど意外に古く、ここもそのひとつ、約2000年前に温泉が発見された。19世紀にはかの有名なシューマン、シュトラウス、ブラームスなどの音楽家もこの地で保養することがあったらしい。

 ひんやりとした黒い森を抜け、街の中心部に到着。街は小さいながらも、小洒落たカフェやレストラン、ブランドショップまで建ち並び、高級リゾート感がある。早速、有名なクア施設へ直行。ここでは、水着着用の温水プール感覚で入るカラカラ浴場(カラカラ・テルメ)と、ルネッサンス様式のスーパー銭湯感覚で入るフリードリヒ浴場(フリードリヒスパード)の2種類があるが、お湯を直に感じるため、迷わずまっぱで入るフリードリヒ浴場を選んだ。

 実はこのフリードリヒ浴場、曜日によっては男女混浴になるのは噂に聞いていた。この日は木曜日の平日、人も少ないし混浴ではないらしい。ほっとして(?)入り口で、マッサージ付のラグジュアリーパック47ユーロを支払い中へ入る。

 更衣室で全裸になると、綿製の巨大なシーツをもらえる。それにくるまり、浴場の中に入るのだが、入り口で番号順に進めと指示される。中では、サウナや温度の違う温泉、ジェットバス、冷水等、全部で16種類の工程があり、細かく分刻みで時間も区切られている。平日で人も少ないのに、何人かのスタッフがしきりに見回りに来る。ちゃんと順番に廻ってるかチェックしているのだろうか。ドイツ人はルール好きだといわれるが、まさにここでもそのルールで成り立っていた!

 ラグジュアリーパックの特徴は、この16工程の中の5番目に、まっぱで横たわり、おばちゃんに石鹸とブラシで身体を洗ってもらえるのである。また、最後にはクリームサービスというのがあり、これも全身にココナッツの匂いがするクリームをたっぷり・べっとり塗ってもらえる。こういうのは海外であるからこそ羞恥心を捨て、まな板の鯉になりきるのがベストであるが、混浴の日というのは、全身洗ってもらうのも男性スタッフの場合もあるらしい。そこまでくると、異文化交流をするしかないだろう。

 クリームサービスの前に、最後の温浴クライマックス、最も広く美しいルネッサンス様式の天井を眺めながら浸かるのであるが、ここに入っていくとなんと先にガイジンの男性と女性がカップルで浸かっていた。一瞬間違えたかと思ったが、どうやら毎日そこだけ混浴らしい。入り口で「今日は混浴じゃないから大丈夫」って言ったおばちゃん、どういう意味だったんだろう・・・?

 そして最後の最後に、リラックスルームで温まった身体にみの虫のように全身を包まれ、仮眠をとる。これが実に気持ちいい!!爆睡は必須である。そこで20~30分ほど仮眠をとり、最後にハーブティーを飲んで終了。

 温泉を出たときは、すでに3時間近く時間がたっていた。街に出て昼下がりのオープンカフェに入り、キンキンに冷えた生のレーベンブロイに口をつける。まさに至福の時間。ここは日本の温泉地のように、泉質のこだわりや情緒があるわけではない。しかし、いつも駆け足気味になる海外旅行ではなく、こうした温泉リゾート地での滞在もまた新鮮ではなかろうか。

【バーデン=バーデン】
住所: Römerplatz1, 76530 Baden-Baden, Deutschland
アクセス
 フランクフルト中央駅-バーデン=バーデン駅(ICE)1時間20分、レオポルド広場から徒歩5分
泉質名・泉温・PH値: 不明
色・味・匂: 無色透明・無味無臭
営業時間: 9:00~22:00 ※火・水・金・日祝日と2/14は混浴
料金: 基本パック23ユーロ(3時間)、ウェルネスパック35ユーロ(3.5時間 石鹸マッサージ付)、ラグジュアリーパック47ユーロ(4時間 石鹸マッサージ&クリームマッサージ付)
公式HP: http://www.carasana.de/de/friedrichsbad/startseite/

2013年11月07日

コラムフォト

取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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